アーティフィリアとの交流会-3
それからアーティフィリア組との交流を終了した私達は、商人らしき風貌の男達とすれ違った。どうやらここではスマホのアプリ無しでも物品の交換が可能らしい。
「まぁ、スマホからアレ経由で貿易が成り立っているんだろうな……。最近漁村では販売される魚の種類も増えたらしいし。」
「漁村……ですか。あそこの屋台巡りは楽しかったので似たようなイベントがある場所に行ってみたいですねぇ……。」
アルミナがそう言うとテンレもそれに頷いていた。もっともテンレは肉がふんだんに使われた物………串焼きや唐揚げ等の屋台がイメージの中にあるのだろうけど。
「ただ、アーティフィリアとの交流で質の良い金属を手に入れられたのは事実だな……。これでアクセサリー作りの趣味で創るアイテムも質が良くなるし。」
「私達もそこまでお金持ちって訳じゃ無いですからね……。」
「そっ、そうですね確かにガチャで手に入る物は基本的にギルド側が買い取れないと言ってくるほど高価な物が多いですし何よりそれを売ろうとすると厄介な事に巻きこまれますからね…。」
ランタンがそう言うと大橋はハァ…とため息をついていた。実際ガチャで出てくる物はそれなりに高価な物やこの世界に存在していないような物ばかりだ。その為ギルドで売る物はこの世界で手に入れた物になる事が多いのだ。
「とりあえず肉以外の素材を少しずつ売るしか無いな。」
「そうじゃの。出来ればダンジョンとか言う所で一攫千金を狙えれば良いのじゃが……この近くには無さそうじゃし。」
「今更ラビネアには戻れないしな……送ることは出来るが正直こちらに戻すのが面倒だし。」
私はそう言いながらラビネアにいる3人の事を思い出していた。まぁ、彼等は強いので何の心配もいらないだろうが、一応最難関のダンジョンについては聞いておく事にしよう。
「……しかしここはなんで遊園地と町を合体させるようになったんだろうな……。【消音の魔石】で騒音被害は無いらしいけどさ…。」
「まぁ、町の中で大型のジェットコースターのレーンが沢山あるって結構怖いと思いますけどね……。」
「公園とかを設置しなくていいぶん遊びやすそうじゃがの。」
「でもデパート屋上にある様な乗り物がナビゲーターってのは予想外だけどね……物凄い恥ずかしいと思うわ……。」
まぁ、あれでも一応優秀な魔導具なんだよな……と思ってしまう。普段は大橋の言うとおりの性能しか無いが、緊急事態には戦闘兵器になるという魔方陣が使用されている。……いや、過剰防衛になりそうなレベルなのだけどね………。