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天文台からの旅立ち-1

あれから何日か滞在した後、私達はテンレを新しいメンバーとして迎え入れ、本人の希望からラピをこの天文台に残す事を決定して旅立つ事にした。……まぁ、私とあちらのスマホ経由で会う事が可能なので悲しい別れという感じでは無かった。


「……で、この馬車で行くって訳じゃな……。」

「そうなるな。まぁ、頑丈さはあのキャンピングカーより少し上だから心配しなくても良いぞ。」

「そうか。……しかしこの鰻重もまた美味いのぉ。」

「やはり舌の肥えたテンレでもそう感じるか……。」


テンレはそう言いながら四杯目の鰻重をむしゃむしゃと食べていた。まぁ、テンレ曰く前世では近場に良い店が無かったらしい。テンレ自身は肉派なので魚介類系の美味い物に関しては必死で探したり取り寄せたりだとかだったらしい。


「しかしこのスマホってのはあちらの世界でもここまで万能なのか?こんな物があれば瞬く間に堕落する筈じゃしなぁ。」

「一応万能だがこの世界でのガチャと同じようにはならない。金を毟り取るだけ毟り取り、課金しない奴等は容赦なく切り落とす悪徳商法に成り下がってるよ。」


〖グラボー〗ではそんな事は無かったのだけど、他のゲームだとよくある事らしい。チュートリアル終了後最初のレアガチャで役立たずが引けたり、チケットでやるガチャは軒並みガチャで出る最低レア度、挙げ句の果てに課金しても欲しい物が出ないという罠がある。それにくらべたらこちらのガチャはまだ良心的だと感じるのだった。


「取り敢えず次の町では何があるか……なんだよなぁ……。」

「そうですねぇ……。」

「でもあれを一目見たら兵器に見られるわよね……。あのロボットは。でもアレはバベルの塔の頂上で打ち上げとか出来るのかしら?」

「それについては分からないな……。アレはロケットとはまた違うタイプだし……。いや、ロケットというか変形型にすればいけるのか。それかあちらで組み立てるかだな。」


ただ、一からロボを作る技術は中々だと思うのだが、あそこの連中は「早めに宇宙に行って作業効率を上げたい」と話していた。まぁ、某ロボアニメでは無重力空間の中での整備シーンが多かったし、何より地上でやるとするとかなり窮屈になる事もあるのだ。


「……まぁ、その内この世界でも普通に宇宙に行ったりだとか、人工衛星が普通に存在するという程に進化していくのは間違いないだろうな……。ただ、ここまでして新聞だけを情報発信の手段とするとは到底考えられないけどな。」

「そうじゃな。恐らくじゃがアレは新聞だけでは終わらせないじゃろう……。その内自ら天文台の方に向かってくるじゃろうな……」


まぁ、逆に人工衛星や電波塔が無くても機能しているスマホが既にある時点で似たような物が既に存在する可能性はあるのだけどな……と思いながら私は馬車を進めていくのだった。

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