バベルの塔に憧れて-4
「……まぁ、転生者狩りがここまで来ていないなら問題は無いと思うが……正直、この施設が攻撃されていない事が奇跡だな。」
「宗教的には何の問題も無いし、衛星兵器を打ち上げる訳じゃ無いからね。宇宙からの侵略だと誰も手足が出なさそうだけど。」
いや、流石にガンダレスレベルの人間は気付くだろうと思うけどな……と思いながら私はダロンの束をウエストポーチから大量に取り出した。衛星を打ち上げるのにもそれ以前にここの維持費や洗浄石等を買う資金は必要だろうし、一応布教しておこうと思ったからだった。
これは後日聞いた話だが、ダロンの売れ行きもよくなり取り敢えず資金に困る事が無くなったという報告もある。まぁ、バベルの塔建築の者達は食費の増額くらいしか貰わなかったらしい。その分、他の施設の方に資金を入れた方が良いと考えたからだという。ただ、これは3ヶ月後の話なので置いておき、話を戻しておこう。
「平気云々に関しては敵対勢力が出始めた頃に打ち上げる方が良いだろう。ただし爆発は最小限になる物だな。下手するとこちらにも被害が及ぶわけだし。」
「結構考え方が物騒だけど、もしかして第三次世界大戦でも始まってた?」
「いや、それは無い。ただ戦略シュミレーション系のゲームをやり込んでいたのとこちらの世界で1回だけ戦争した事があるくらいだ。もっとも、その戦争は私1人で圧勝したんだがな。」
「流石私の曾孫だね……。そこまで物騒な考えになってしまって、曾ばぁちゃんは悲しいよ………。」
ヨヨヨと言いそうな姿勢でシェケラは嘘泣きを始めていた。しかし私はそれに動じる事無く、話を続けようとしたのだが……その時に〖殺戮魔法〗について話さなければならなかったのがかなり面倒になってしまう。いや、一応敵対していない人物に使う事は無いのだけどね……。
「……しかし、ダロンなんかはカードダスとかにしても構わないだろうからコンピューター技術使って印刷とかもやってみようかな。そうすればランダム性がかなり上がるし。ルールブックは無料にするけどね。」
「それが正しいだろうな……。まぁ、こちらも無理矢理渡されたような物だから自由に布教してくれ。」
「分かった。いずれここで大会とかやりそうだけどね。」
そうしたらさらに宇宙に行きたいと思う者達が集まりそうだとも感じながら、交代してバベルの塔建設に向かうシェケラを見送った。ただ、入れ替わりでこちらに来た者とダロンをやってみると、上手くデッキを組めていなかったので仕方なくデッキ関連の基礎から叩き込んで見る事になったのだった。