バベルの塔に憧れて-1
「……まさかこんな所で娘に会うとは思わなかったな……。ほら、私だよ。今はシェケラと名乗っているがお母さんだよ。」
「……アンタもか!アンタもテンレと同じで私を祖父の姉と勘違いしているのか!つーかどんだけ似てるんだよ私と彼女は!」
バベルの塔?の近くに行ってみるとそこでは私の母方の曾祖母である黒華鉄 麗がそこにいた。ただ、私を祖父の姉である扇城と間違えてきたのだった。なので私の探している母さんの転生者では無いことが分かる。
「……そうなの?いや~、性格とか瓜二つだったから分からなかったわ。でも母の胸に飛び込んで来ないからやっぱり母親が違うとは思ったけど。」
「……マザコンな所まで同じなんででででででで!」
アルミナがなんか変な事を言いかけたので私はとりあえず腹をつねっておいた。流石に殺すわけにもいかないしね……いやマジで。アルミナがいなくなると色々と面倒な事になるからなぁ……。馬車の拡張しているはアルミナの魔法な訳だし。
「……しかしなんでアンタはここでバベルの塔を建てているんだ?よく見ると外壁の中に線路も見えるんだが。」
「一つはロマンを求めてなんだけど、もう一つの理由に打ち上げコストの軽減があるのよ。これまでロケットは燃料不足やモンスターとの接触により減速していたしね。」
それを回避するためになるべく高いところからロケットを撃ち出せば良いのでは無いか?と考えた結果がこのバベルの塔計画らしい。まぁ、その内内部を宇宙エレベーターみたくするのだろうがな………。
「でもこれ強度とかは大丈夫なのか?」
「打ち上げる場所の床はあのキャンピングカーに使われている合金を何重にも使うつもりよ。そうすれば一回の打ち上げで崩れることは少なくなるしね。それにアイテムBOXに入れたりしていればその場で組み立てるなんて事もしなくて良いしね。」
「そうか……。まぁ、ガチャの関係でアイテムBOXも手に入りやすくなるからな……。」
「その代わり臨時収入も無くなるけどね。ロケットに突き刺さったグリフォンもある意味資金源だったから。」
シェケラはそう言いながら空を見上げた。現在のバベルの塔の高さはむだ山一つも超えられていないがいずれ軽く越えてゆくだろう。それにラピやガチャの加入により、これまでよりも早く宇宙へと旅立つ準備が出来ていると感じた。
まぁ、バベルの塔はあそこまでの高さになるのに2年は掛かっている為五十歩百歩くらいにしかならないのだろうが、それでも充分だろうと感じるのだった。