たまぼっちと終わらない旅-4
「………そういえば箱庭妖精ってなんで人を閉じ込めるんですかね?別に死ぬまで閉じ込めていても良いこと無いのに。」
「ノルマでもあるんじゃ無いか?」
「そうですよねぇ……。でもそろそろ私の空間魔法も強化されてきましたから脱出は可能になってきましたね……。」
「アルミナがここから出られれば後はそこに私達の体を転送すれば良いだけだからな……。だが正攻法で帰った方がデメリットが少ないわけだし……。」
私とアルミナがそう話していると、ランタンが箱庭妖精を見つけて捕まえたという報告があった。どうやら見つけた直後に羽を目掛け【暗器収納】で回収していた殺戮魔法の武器を投げ床に貼り付けたらしい。
「……さて、さっさと出して貰おうか。」
「……りゃだ。まだじょーけんみたしてない。」
「……なら殺すか。ここまで小さい奴は殺した事無いから加減が分からないが………。」
「ま、まって!じょーけんりゅーから!!」
「………まともな内容だと助かるがな………。」
なんか「い」の字を「り」と話すのが妖精独特の言語なのか?とも思いながら私は箱庭妖精を睨み付けた。すると箱庭妖精はおどおどしながら条件は遊び道具を渡す事だったらしい。なので私はたまぼっちを渡す事でこの空間から脱出できるようになったのだった。
「………とゆーか、ここまでながくりたにんげんははじめてなのです。」
「お前が逃げ回ったのが原因だろーが。まぁ、さっさとこの空間解除してどこかへ去れ。そうしないとまた殺すぞ?」
私がそう言うと箱庭妖精はすぐに白い空間を解除してからすぐに飛び去っていった。ただその様子を見て大橋は「いやな物あげちゃったんだけど大丈夫かな……?」と呟いているのだった。
「……あれって確かたまぼっちooよね?あれは延々とやるハメになるわよ……。」
「なんだよそのooって。」
「本来たまぼっちには寿命システムが強化されているんだけどね……ooには寿命が無いの。」
「それって良いことなんじゃ無いか?」
「ゲームのシステム上は良いんだけど、このゲームって時空を歪める機能もあるから……。」
簡単に言えば寿命があるからこそ廃人でも辞めようと思えば辞めてしまえる状況が出来上がるのだ。一応9あたりから供養システムと言ってお世話は出来なくとも簡単な触れ合いくらいは出来るらしい。
まぁ、要するに………廃人としてずっと同じルーティンを繰り返すだけの人生をあの妖精はする事になるのかもしれないと大橋は心配しているのだろう。………だが、私達としてはそれこそどうでも良いよなぁと思いながら元の場所に戻った。……ただその時に私達の横を通り過ぎた物を追いかける事になる。
………いや。なんでこの世界にキャンピングカーがあるんだよ!と思いながら。