番外編 異世界で宇宙を目指す者達-3
最初にモンスターを倒していく為に武装するという方法が上げられた。確かにこれならモンスターが直接襲ってくる事は無くなるだろう。しかし、これまでの失敗の殆どは空を飛ぶモンスターにロケットの先端が突き刺さるという事故の方が多いため、すぐに却下された。
実際、宇宙エレベーターの様な形で結界を作らなければならない為、この議題はかなり難航している。宇宙エレベーター並の結界を作り出せるとしてもそれに関してのエネルギーが足りるのか?という問題もある。
「結局の所運でどうにかするしかないのか?」
「そうなるかもな。上空に何のモンスターもいない場所はあっても赤道から遠すぎる訳だし。……そもそもなんで赤道に合わせてモンスターが集まっているのかが分からないんだけどね……。」
「一応〖電磁プラズマ型結界〗を撃ち出す事で結界を展開する方法もあるがあれはロケットをかなり減速させるからな……。下手するとそのまま止まって爆散する。」
一番良い方法である〖電磁プラズマ型結界〗は撃ち出してから約三十秒の間モンスターを遠ざける結界がある。これを平行して撃ち続ければモンスターが寄ってくることは無いが、繊細なロケットがこの地点を通過すると、強力な磁場により制御システムが壊れる可能性もあればプラズマに絡め取られてしまい減速する事も避けられない。
「流石に無駄撃ち出来る様なロケット発射台を増やすのは無理だぞ?モンスターを蹴散らすにはそれなりに距離がいるが落ちてきた奴が刺さったら元も子も無い。……やはり結界の強化が必要だろうな………。」
「そうっすね……。」
「………やはり、協力者を探すべきなのか……。いや、宇宙に挑もうとする様なのが転生者でも少数派だからな……。こちらで見つかるかどうか……。」
そんな時に、宇宙飛行士として訓練していたミラがこんな案を出した。その案は少々厳しいが、実現すればほぼ確実に現在の課題が解決する案なのだった。
「モンスターが発見できた時に転移するシステムを作れば良いんじゃ無いかな?そうすれば減速の心配も無いし、モンスターとの激突のリスクも減ると思うんだけど。」
それを聞いてすぐにその案は可決され、試行錯誤の日々が始まった。……ただ、転移するタイミングを図るためにいくつかのロケットが犠牲になったが、146本目のロケットがついに大気圏を越え宇宙へと向かった。しかしエネルギーがそこで尽きてしまい、また一から構想のし直しが必要になってしまうのだった。