番外編 異世界で宇宙を目指す者達-2
とりあえず、宇宙を目指している者達の分担と前世について話しておこうと思う。まずここでリーダーと言う名の企画主である初代リファンス財閥総帥のグレン・リファンスだ。
彼は前世と同じグレンという名前を付けられた為、この企画の中では唯一前世と同じ名前で他の者達をここに集めた者である。彼は財閥の総帥でありながら宇宙飛行士でもあった男である。しかし他の企業の関係で宇宙でのミッションは一度きり、それもかなり短い日数の滞在でしか無かった。
だが、この世界では彼を宇宙に滞在させる事を縛る物は何も無かった事、同じ様な夢や野望を持つ者達と巡り会えた事が幸運だったのだと考えられる。……まぁ、それは他の転生者達も同じなのだが。
彼が最初に出会った転生者は初代アレクロウスコーポレーションの初代社長であるマスティ・イェーガーことイェルだった。彼は主にロケットの開発を担当しており、ロケットの発射場所にモンスターが来る事に苦悩している男だ。
最初はこの2人だけで活動していたが、材料費を集める為にひたすら働いた。そんな時に現れたのがダンジョンマスターとして転生していた杏善電工初代社長の棗 志波ことシバルト、道具師として転生していたアンデーコンツェルツの初代総帥である須々木・K・ドレグーシャことケンだった。
彼等2人のおかけで材料の鉄等の供給が比較的やりやすくなった所で新たな依頼を出した所、元宇宙飛行士のアレグロ・トーシャとミラ・ナーテンの転生した人物が現れ、宇宙飛行士用に色々と訓練が始まった。
残りの4人は偶然転生者である事が分かり、そのまま夢に誘われた者達である。ただ彼等は転生者を20人は見つけていたのだが、その殆どが現実主義者に近く、宇宙へと行く夢を馬鹿にはしない物の、呆れている様子を見せ去って行った。
しかし、医学に機械工学に科学等の専門家が集まって出来たこの宇宙への挑戦は勢いを止めることは無く進んでいた。……そして、現在彼等に課せられているのはロケット打ち上げ時に起こるモンスターとの衝突に関してだった。
地球ではそんな事が起きる事が無いために事態はかなり難航していた。というのもモンスター避けの結界は大気圏どころか雲の上に届くことは無い……というかレベルが上がっても横にしか広がら無い為、地上のモンスター避けにしか使われていないのだ。
まぁ、それだけでも充分活躍しているのだが……失敗の理由としてここまで続くと流石に対策を練らなければならない事は全員が認知していた為、彼等はこの事について会議を始めるのだった。