番外編 奴隷達とのBBQ-1
やや安めな薄い肉や、重厚な肉……それに前の世界では手に入らなかった肉などを買い漁ったテンレはアレフの国の住処へと戻っていた。するとそこでは彼女の買った奴隷達が肉の下拵えを流れ作業の様に行っていた。
「あっ、ご主人様。頼まれていたBBQグリルが出来ました。念のために3個作りましたが大丈夫ですか?」
「問題ない。むしろよく作ってくれたのじゃ!これなら大人数でも楽しめるからの!」
「良かったです。肉の下拵えも済んでいるので早速焼きますか?後……私達も食べて良いんですよね?」
「そうじゃな。ただ、煙などはどうなっておるのかきになるのじゃが……。」
「迷惑の掛からないように煙を吸い取る装置も作りました。これなら味を殺すこと無く煙の心配もなくなりますね。」
ミオとアクーシャは褒められた事で嬉しそうな顔をしてから下拵えの方の手伝いへと向かった。そんな中、孤児院の男子達に料理の基礎を叩き込んできた者達はその手際の良さに驚いていた。
「……下拵えやらタレや皿、箸が出来たから早速始めるとするか!早速火を入れると良い!」
「了解しました!!ご主人様!」
さて、BBQが始まる前にミオとアクーシャが協力して作ったBBQグリルの機能について説明しようと思う。別に使っている時に説明しても良いのだろうが、正直面倒なのでここでやってしまおうと思う。
まず二人が作ったBBQグリルはドラム缶を半分にした物に足を四本付けた形である。ただ、テンレ自身が焼きそば等をBBQでやらない人間である事、一々金網を変えるのが面倒という理由からドラム缶の底だった場所に洗浄石を埋め込む場所が作られており、それをスイッチの様に押すことで網を一瞬にして綺麗にする事が出来るため網をBBQの間に入れ替える事もしなくても良いし金網も一つだけ用意すれば良くなるのだ。
また、火力は薪では無く魔石を使用している。ただアクーシャの改造の結果、空気中から魔素を取り込み魔石に補充し続ける事が出来るため、経済的であり薪を使って出る灰などの処理も不要となっている。
最後にこのBBQグリルの足は筒状になっているので収納が簡単になっている。さらに折りたたみ機能も付いておりアイテムBOXを持っていなかったとしても持ち運びが楽になるのだ。もっとも、別付けの取っ手を装着しなければならないのだが。
まぁ、火力の調整から消化までがスイッチを押すだけで簡単に出来る事から彼女達はこれを孤児院時代に考えることが出来ていればと感じるのだった。しかし、これまで散々楽してきた男子達に快適さをお裾分けしたくないとこれを孤児院に送る事に対して全力で反対していくのだった。