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番外編 天錬組初代組長の転生-2

明日から私情の為、1ヶ月程1日1回の更新ペースが出来なくなります。

「……さて、ここなら肉はあるじゃろうて……。」


彼女はそう言いながらワコウ王国を出てから三つ目の国へと入国した。そこでは普通に犬や馬等の獣達がおり肉を食おうと思えば喰えると感じていた。ただ、そこまで辿り着くのに2ヶ月も経っていた為、彼女の肉を食べられないという欲求不満はかなり溜まっていた。


実際ワコウ王国から離れればすぐに肉が食えるかと安易に考えていたが、ワコウ王国の獣を排除する為に対策された範囲は思った以上に広く、これまで通過した国でも肉は手に入らなかった。むしろ最初に入った国では〖ハンズイザリガニムシ〗というムカデとザリガニが合わさったようなモンスターの身が主な主菜であったりとワコウ王国の闇は深かった。


「25年振りの肉……食わせて貰うぞ……。」


それは魂の叫びに近い言葉だった。産まれた後、すぐに肉を食べられるという事は無いのは分かっていたが、肉自体が存在しない国だった為、先立つ物が出来るまでの25年間必死に耐えたのだ。そしてその努力の成果が国の入り口から僅か数メートル程にある串焼き屋として現れていた。


「おっ、嬢ちゃんこの肉が食べたいのかい?これは〖アレフ・リザード〗の肉の串焼きで、肉汁がドバーッと出るんだよ。」

「ならば1つ貰おうか。何Gだ?」

「50Gだね。おっ、気前が良いねぇ……。じゃあこれもサービスだ。新作の〖アレフ・リザード〗に新しいソースを掛けて焼いた奴だ。」


こうして初めて食べる大蜥蜴の肉に食いついた彼女は25年振りの肉の味に感動していた。生前の自分が常連となっていたとある屋台には敵わないが、それに匹敵するくらいの美味さだった……。そしてソース付きの串焼きにも齧り付くとこちらも同じ感想だった。


「美味いのぉ、この串焼きは。」

「分かってくれるのかい嬢ちゃん。俺はこの国で冒険者相手に商売してるんだけどよぉ……中々買っていってくれないんだよ。女性冒険者が多くってさぁ……。みんなスイーツとかの方へ行っちゃうんだ。」

「成る程。まぁ、儂は肉食べられたから満足じゃ。」

「あぁ……ワコウ王国は肉が存在しないからね……。でも嬢ちゃん、ツレはいないのかい?」

「おらんわ!儂はこう見えても25じゃ!」


誤解をどうにか解いた所で彼女は串焼き屋の前から去って行った。ただ、この時彼女が思ったのは生前の自分の特徴が剣術と口調以外引き継がれていないという事でこの様な仕打ちを受けるとは……という事だった。まぁ、この国に滞在する間はあの串焼き屋に通うかと思う彼女なのだった。

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