新たな旅の前に
あれから帰還してバレーシア農帝国で取り敢えずダロンを布教して新しい事業を完成させた私は他のメンバーと集まったのだった。ただ、ガンダレスとジルフェは既に旅立った後らしく、簡素な置き手紙が残されているのだけだった。
「まぁ、目的は違うから仕方ないか……。」
「でもあの2人と旅しようとすると結構キツいけどね……カグヤと大橋さんを連れていくことになれば余計に。」
下手するとジルフェに殺されるからなぁ……。まぁ、一応連絡は取り合える様になっているので問題は無いだろうと思う。だ、出来ることなら2度と敵として出会いたくないな……。
「それにしても結構長く離れてたけど……ランタンは大丈夫だった?」
「は、はい!大丈夫ですよマスターがマスターであるのは変わりませんしマスターは私を見捨てたりはしないですしただ今回は私は暗殺者なので交渉の場に連れてくるのは不向きだと分かっていましたから………。」
ランタンは相も変わらずオドオドとしているが、私を見て安心したのか表情がほっこりとしている。ただ、アルミナはややこしい人が増えたなぁという感じだった。まぁ、大橋は最初私を非難している立場だったからな……。
「しかしこれからはアルミナと私の知識外の人間も転生者として現れる可能性があるからな………。」
「そうだね。流石に私達も全員理解している訳じゃないし。」
「あ、その……分かりました。」
その後、私達はバレーシア農帝国の経営をシェドンやヘレン、レルミーに任せて旅立ったのだった。ただ、船旅をする気は無いのでとりあえずアッシルベン魔帝国外周を経由していくことにした。流石に砂糖まみれの食事は体験したくないからだ。
「ただ、どの時代までが転生の対象か分からないんですよね……。ですから私の家に伝わっている四大強者の人達もいそうですけど。」
「なんだよその中二臭い集団は。」
「いや、当時の社長、組長、会長と呼ばれる者達の中で強いと思われていた者達ですよ。天錬組の組長と初代アレクロウスコーポレーション会長、初代リファンス財閥会長に初代夜紗書編集長ですね。名前までは忘れましたけど。」
ただ、この四大強者は怠慢の為未だに更新される事は無く、何年前の者達なのかも微妙に分かりづらい。というか昔は有名だったらしいが何代か経ていく内に聞かなくなっているのだ。
しかしこの四大強者等の昔の強者達に私達は遭遇する事になるのだが……それはまだ先の話だ…………と思っていた時期が私にもありました。
次回から番外編に入ります。