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伊波家の集合-3

出方を窺ってみたものの、彼女は特に何もするわけでは無くへなへなと座り込んでしまった。……まぁ、これが所謂正義感に囚われすぎていた者の末路みたいな感じなのだろうと思う。まぁ、私が人を殺しているのは合っているのだが罪の無い人は多分殺していないと思う。あっても不特定多数の中の1人レベルだろう……いや、軍を辞めてこなかった事を考えればハンバルシア軍帝国の者達には罪がある者が多かったのだろう。


そう思いながら私は彼女をどうするべきかを伊波家とマルフとで相談する事にした。騎士団も私の口添えで既に退団扱いになっており戻るに戻れないが大陸共通のギルドカードは持っているので仕事には困らないだろう。しかし問題は住む場所に関してである。


「大橋は見たところガチャの能力を持っていないからな……。それに織村のいる2組とは違ってガチャ持ちがスキルを分配する形にはなっていない……。まぁ、方針が違うから仕方ないんだが……まぁ、真面目に訓練していたから問題は無いだろうな。緊急事態には弱そうだけど。」

「緊急事態ってどれくらいのレベルが緊急事態なんですか?」

「私にとっては不死の元魔王や回復チート持ちの転生者狩りと遭遇する事だったかな……。あの時は偶然生き残れたけど色々と大変だったよ。」


私がそう言うとそこにいた全員がドン引きしていた。いや、私の場合はその位で無いと緊急事態にはならなかったというかむしろ死にかけたのがそれくらいしかない。確かにゴーレム関連と初遭遇した時もあり命の危険を感じたが、今では全く驚かないだろうと思う。


「まぁ、魔物の群れは軽くどうにかできるからね……私の持っているスキルだと。ただ格上の相手と出会うとどうしようもない感じになるんだよね……。」

「むしろなんでそんなスキルを手に入れているかを聞きたいですよ……。まぁ、突拍子も無い方法でしょうけど。」


睦月がそう言うが、この『殺戮魔法』って下着での、わらしべガチャで手に入れた記憶があるんだよな……。まぁ、『殺戮帝』となりさらにパワーアップしてしまっているけどそこまでは話さなくても良いだろう。


「……で、結局大橋はどうしますか?」

「できれば家族水入らずで過ごしたいのでどこか宿を見つけて貰えれば……。」

「……そうなんだ…って睦月のお父さんとお母さん!?お父さんの方は少しだけ若くなっているけどあそこにお母さんはいなかったはずだよね!?」


私に気を取られていた為か大橋はオーカーと星奈の存在にようやく気付いた。そして驚愕のあまり大橋はその場で気絶して動かなくなってしまったのだった。

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