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伊波家の集合-1

あれから20分程で仕事の引き継ぎやら必要な手続きを終わらせたのか、伊波 星奈はこちらの世界に来る事を了承した。なので私はさっさと『トモダチ顕現アプリ』を使ってみる。すると近くに魔方陣が現れて彼女をこちらの世界へと連れてきたのだった。


「……久しぶりだな星奈。また一段美しくなったと思うぞ。」

「貴方もそこまで変わっていないわね。この世界では25歳と誰も思わないでしょう?」


オーカーと星奈の二人が運命的な再会を果たした恋人のように抱き合っているのを砂糖を吐きながら見ている私は彼等の娘である睦月とチャットしてこちらに来るかそちらに残るかを聞いた。来るとしたら騎士団を退団してから楝蛇木家の者に向かって貰い彼女を送って貰わなければならないという非常に面倒な工程がある。


しかしオーカーがこの国でそれなりに重要なポジションにいるので二人をそちらに送ることは出来ない。職が確実に手に入る訳でも無いからな……。


『私がそちらに行った方が速いだろうから……お父さんとお母さんが拒絶しなかったらそちらに向かいたいかな。それなりに闘える様になっているし。』

「……分かった。とりあえず聞いてみることにする。」


そして感動の再会を終わらせた二人にこの事を話すと二人は睦月の意志を尊重したいと話していた。まぁ、友人を取るか家族を取るかという感じだからな……と思いながら私は睦月に確認を取るのだった。


「……後数分後に来ると思う。」

「分かった。しかし、娘に会うのは何年ぶりになるのだろうか?」

「そうねぇ……。でも、失った娘とまた出会えるなんて奇跡の様ね……。でも、あの事件は本当に衝撃が残っているわ……。」


メテオ・エンペラー事件は本当に衝撃が残っているのだろう。優秀な次世代を担う筈だった生徒達が全滅したのだから。ついでに教師達も………いや、中には経営者もいたんだよな……。


『騎士団の退団を済ませたので早速こちらに転送してもらいますね。なんか宅急便のダンボールの中に入る様な感覚ですけど。』

「その辺りは諦めてくれ。利用した奴は誰もが使っている感じだから。」


実際生き残った教師や執事に楝蛇木家の者を送っているが彼彼女等は文句は何も言ってこなかったので問題は無いだろう。そう思いながら彼女をこちらに転送して貰った。ただその時にエラーが起きたのか、はたまた勝手に着いてきたのか……睦月の他にもう1人生徒が転送されていたのであった。……まぁ、修羅場にはならないだろうけど。

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