アーケンドル家の者達-3
「ロアリアはねぇ……物凄くゲームが好きだったよ。それが興じて数学に手を出していたわけだよ。まぁ、心理学の方へはゲームがつまらなくなる、自分の力だけで切り抜ける!!と進まなかったけど。私は逆に心理学に近い分野に進んでいたからねぇ…習い始めた頃は全く役に立たなかったけど。」
そう話しながらマルフは中学に上がる前の頃、セバスに恋をしていたらしい。……まぁ、小学生の頃に囓った程度では、例え相手が同じ年代の小学生だったとしても役に立つことは無いだろう。それにセバスも小学生時代にそのような誘惑に負ける気がしない。
「……まぁ、セバスに関しては叶わぬ恋というか永遠の悪友的な雰囲気で付き合いを続ける感じになったかな。まぁ、セバスも既に恋人がいたわけだしね。」
「あぁ、セバスも一応子供がいるんだったな……。」
「……5人程ね。その内の一人は私の息子と結婚しているけどなんだか男女逆転している感じだからなんとも言えないんだ。」
紹介された事は無いというか、子供側に時間が無いからという理由でセバスは私には直接紹介してくれていないが、一応名前だけは知っている者もいる。私とマルフが生前出会っていた理由もセバスの3女、ノエルの里帰りしてきている時に一緒に遊びに来ていたのだから。なぜか直接紹介はされなかったけど。
「……まぁ、里帰りとは言っても挨拶回りして墓参りに行くくらいだから剣城ちゃんが起きていなかっただけだよ。」
「そうか……ならば仕方無いか。」
その後、オーカーが私達が頼んだ物を次々と持ってくる。包装紙では無く直接陶器製の皿にのせられているという違いはあるが、見た目は前の世界で見た物そのままだった。まぁ、他の二人は初見なのでただただ目を輝かせていたのだが。
「そういえば……なんで他の場所からは私の様なタイプの転生者が見つからないかと考えてしまうんだけど……。」
「話しが大幅にズレているが……食べながら仮説を話して良いか?」
「冷めても電子レンジみたいに安全に温められないから良いよ。でもここまで偶然が重なっているのに、なんで他の国では接触したという言葉が聞けないんだろうかと思ってね……。」
これはロアリア先生の驚き方からも明らかだろうと思う。まぁ、もしかしたら彼等も知らないところで出会っているのかも知れない。ただ、私達がこれまで出会ったのもほぼ偶然に近くある程度の関わりがあったのでどちらかが認知している事が前提な出会い方だったからだ。そう考えながら私は仮説を頭の中でまとめながら昼食を食べるのだった。