アーケンドル家の者達-1
「……アーケンドル家の者は確かに在籍していたな……これも1組の方だ。まぁ、3組だった場合は助からなかったかも知れないがな。」
1人が勝手な行動で村から出て狼に殺され、生徒会の二人がダンジョンの街まで逃げた後、闇堕ちした生徒が残りの人間を全滅させた。で、その生徒も冒険者によって討伐されたので3組で生き残っているのは黒木と蔵鮫の二人だけなのである。
「……結構色々あったんですね……。ただ教師としてまともに働けているかが心配でしたよ。」
「そうだろうな。ただ、一部の教師は魔王を討伐しようとした所を殺害されている。まぁ、魔王を殺したところで元の世界には帰れないんだがな。むしろこの世界の秩序の方が崩壊する。」
私はそう言いながらチャットでクラリスにマルフの前の世界での娘……ロアリア・アーケンドルに連絡してくれと頼んだ。するとすぐに返事が来たので私はチャットの使い方をマルフに教え、ロアリア先生にネイケスのここでの名前はマルフである事を話してから会話を始めるのだった。
『……母様の生まれ変わりがそこにいるのですか……。まぁ、そこにいけるとは思っておりませんので話をさせて貰いたいですね。』
「……まぁ、私もそこがどう行けば辿り着けるか分からないからな……。」
『しかし、生まれ変わりがいるとは驚きです。しかも全員が25歳と固定されていることも意外ですね。ただ、帝高校に関係する者ばかりが集まるのでどれだけ生まれ変わりがいるか分かりませんしね……。』
ただ、あまりチートは貰えていない様な感じだと思える。アルミナはチートに近い力を貰っているという感じだろうが他の者達は知識チート的な物しか持っていないように感じる。……いや、25歳まで順風満帆に過ごせる事もまたチート的な能力が発揮されているという事か。
「まぁ、糞ババアみたいに井の中の蛙みたくなっていた奴もいたけどね。あれは本当に酷かった。多分努力をせずに過ごしてきたからな……まぁ、もうこの世にはいないけど。」
『つまり転生者でも死戻り等のチートは使えないという訳ですか。』
「完全に死んでいなければチートアイテムは使えるがな。まぁ、それを私達が手に入れることは無理に等しいアイテムばかりだけど。」
『奇跡の雫』は比較的手に入りやすい物だろうが『王魂の林檎』は誰も手に入れられないだろう。しかし少し囓るだけで『アイアンメイデン・マトリョーシカ』で穴だらけにされても傷を全て治した上で全快するという程のチートをポンポン使われたらたまらないだろうから仕方ないのだけど。