リューケ共和国のグルメ-4
「しかし、結構な種類があるな……。期間限定の物もかなり多く取りそろえられているしな……。」
「そうだな。しかし期間限定品に関しての情報が欲しいとは思うのだが……せめて娘と連絡が取れれば良いのだがな……。」
そういえばオーカーには娘がいる。それも3年1組の者としてだ。……これに関してはオーカーがかなり年を取った頃に産まれた娘の為、一応時期は合うのである。まぁ、連絡を取るのは少し難しいかも知れないがな……。
「……とりあえずクラリスに連絡を取って連絡が付くようにして貰うか……。今彼女は騎士団に所属しているだろうからな……。クラリス達とは同じ国にいるものの別行動だ。それに私は色々あって直接連絡しても取り合って貰えない可能性があるんだよ。」
「……そうか。まぁ、娘と連絡が取れれば取って貰いたい……が、ここに妻がいないのが辛いな……。」
確かに、オーカーのあちらの世界での妻、伊波 星奈は生きており社長の役を引き継いでいた。まぁ、元々社長であった彼の秘書をしており病床に臥した彼の仕事を引き継いだのも彼女なのだ。まぁ、その関係でメテオ・エンペラー事件で亡くなってもいなければ霊となってこちら側へと転生した訳でもない。
「………とりあえず娘さんとの連絡に関してはまた相談しますか……。これを食べ終えたら話します。」
「そうだな。私の都合で料理を冷めさせる訳にもいかんからな。」
オーカーはそう言いながら他の二人の注文も聞いていた。するとレルミーとカグヤは何を頼むか未だに迷っていた。まぁ、ここで連れてきたのがヘレンやシェドンだったら確実に数分で決めているだろうが……美味い物、新しい物好きなカグヤと行方不明の間に食欲が強くなったレルミーには中々5つだけを選べないのだろうと感じるのだった。
「私はザドー亭のオールド、モチ玉、デビルクリームにポッケ華の桃まんと肉まんで御願いします。」
「私はピザックスのミートキングにJFCのトルティーヤ(照り焼きチキン)にザドー亭のゴールドボールにカスタード、和勝目屋の揚げドラ焼きで御願いします。」
レルミーはドーナツ専門店に近いザドー亭と中華料理の軽食……肉まんや小籠包などをメインにしているポッケ華の物を選んでいた。だがカグヤは美味しそうな物をかぎつけたのかピザ専門店のピザックスや和風な軽食をメインとする和勝目屋の物をチョイスしていた。
「……結構バラバラになったが……まぁ良いか。ただ、マルフとマーシェは頼まないのか?」
「……ちょっとしたら頼ませて貰うよ。流石にここまでの注文数以上に受けるとパンクしそうだしね。」
入らぬ気遣いだとオーカーは言って厨房のある方へと引っ込んでいった。ただこの時に私はマルフの意図が分かった。……恐らくマルフも自分の子供や孫に関しての事が知りたいのだろう……腹を痛めて産んだ側な訳だしね。