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トランプルーレット-5

「じゃあ私は6のワンペアだけだから6に16枚、黒に16枚レイズするよ。」

「私はノーペアだし面倒だからダイヤのAに225枚レイズしようかな。こうすれば次から選択肢が増える可能性もあるしね~。」


2人がそう宣言した所で私は球をルーレットに投げ入れた。最初に放った鉄の球はクラブのKに、銅の球はハートの2に、銀の球はダイヤのAに、金の球はなんとジョーカーの位置へと吸い込まれていったのだった。


銀の球がダイヤのAに入った瞬間、マーシェはかなりガクッとした感じになった。しかしギャンブラーの誇りはあるのだろう……台を叩いて球を跳ねさせて位置を変えるという事はしなかった。まぁ、その辺りもちゃんと考えて作られているだろうけどな……。


「とりあえずマーシェは270枚没収だな……。結果が分かりやすくて助かる。さて、残りの3人にも割り振っていきますか……。」


とりあえず今回のコインの変動はこんな感じだったと思う。というか私まで参加していたら余計に面倒な事になっていたかもしれないとも感じてしまう。実際賭け事は好きでは無いがギャンブルゲームは好きだしね……。



マーシェ

540 - 270 = 270


マルフ

64 - 32 + 32 = 64


レルミー

63 ― 32 + 32 = 63


カグヤ

60 - 30 + 60 = 90



マルフとレルミーは色に半分ともう一つの選択肢に半分というレイズをしていた為に変動が無い状態だった。しかしカグヤはフラッシュだった為仕方なく色に全てレイズしていた。その為今回1人だけコインが増え、最下位から一気に2位まで上がっていた。しかしその代償として次からは赤と黒の色でも当てにくくなっているという感じだった。


ただ、金や銀という共通した球を後に回していくとその時の穴に入る球の動きでハズレか当たりかがよく見えるだろうと思えてくる。これは一点集中して賭けていたマーシェの悲劇を見ればよく分かるだろうと思える。


「……まぁ、このままゲームを続けると色々と不幸が起こりそうなんだが………ディーラーの私には関係ないか……。」


その後、最後のゲームが終わるまで阿鼻叫喚の儀式は続いた。ある者は一点張りに全賭けして大量のコインを無くし、またある者は堅実に稼いでいた筈が、一気に転落したり……そんなこんなでマルフ、カグヤ、レルミー、マーシェの順番で決着がつくのだった。


「これ0Gコインだからまだこれで済んだんだよな……。」


私がゲーム終了時に言った一言はレルミーとカグヤを恐怖のどん底へと落とす言葉だったらしく、2人は震えながら私を見ていた。いや、2人を責めている訳じゃ無いよ?と弁明しながら慰める私なのだった。

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