ランダムポーカー-3
「流石に25枚だとまともなプレイは出来ないから、ババ抜きみたいにしてカードを減らしてみようか。」
「まぁ、そうだろうな……。枚数の定義が無いペアかロイヤルストレートフラッシュのみで勝負するにしたらかなりあれだが……私としてはこのまままでも問題ないぞ?」
「いや、新しいレートを作るのが面倒なんだよね……。25枚だと最大12のワンペアとか出来るし……。下手すると4カードが6種だ。それを考えると数に比例してレートを上げるかが微妙になるんだよね……。」
「だからと言ってさらに面倒なルールを追加しなくても良いだろ……。」
私がそう言うと、マルフはチッチッチッと指を振りながらこう答えた。それは妙に自信ありげだが、かなり面倒なルールになると私はうんざりしてしまう。
「ババ抜きポーカーはペアを捨てるからストレート、フラッシュ、ストレートフラッシュ、ロイヤルストレートフラッシュの他に、フルブラック、フルレッドの役だけで闘うんだよ?役が揃ったら勝ちって奴でさ。」
「……それ麻雀じゃないか?」
「そうとも言うかも知れない。だが、ランダムポーカーに組み込むルールとしては申し分無いかな。10の位に0を8、1と2を1つずつやれば大丈夫だろうし。」
フルブラックとフルレッドはカードの色が全て揃うという物で、多分フラッシュより弱い役なのだろうと思う。まぁ、ランダムポーカーの中には組み込んでいないのは揃えやすいからなのだろうと思える。
「……まぁ、このままだと拉致が開かないのはこちらも同じだし、今回はもうそれに乗っておくか……。」
「おっ、了承したね~。じゃあ早速始めようかな。ただ、このババ抜きポーカーは役が揃えば宣言する感じだけど、花札のこいこいと似た感じで大きな役を狙うために敢えて揃ったと言わない事も可能だよ。」
「成る程。……まぁ、いつまでも駄弁っている訳にもいかないからペアを捨てていくか……。」
3カードの場合は2枚のみ捨てて1枚残す事となるのだが、この場合、どの1枚を残すかでできる役も変わっていくだろう。そう思いながら私とマルフはお互いペアになったカードを捨てていく。
「……クラブとハートのQにスペードとクラブのAが捨てられたって事はロイヤルストレートフラッシュを行うにはダイヤを狙うしか無い訳か……。キツいな、それ。全部揃っているかも分からないし。あっ、クラブとダイヤの8もペアになっていたな。」
ただ、25枚という大量の枚数だったにも関わらずペアで捨てられたのは先程の3組の他にハートとスペードの2、ダイヤとハートの7、9だけなのだった。まぁ、ペアになった物を深刻せず持っていた場合は反則負けとなるので普通に被らなかっただけなのだろうと思ったのだった。