カグヤの腕前-2
魔物の肉を食べる機会が少なかった場合、耐性がかなり低く依存症に近い症状を発症する。正直これがあるので肉の供給とかが面倒な事になっている事を私達はすっかり忘れていた。まぁ、カグヤは魔物の肉を調理した事はあまり無いらしい。その為注意するべき事をすっかり忘れていたという事だ。
「まぁ、今回のは事故としておこう。私も『ボルトボア』が魔物だった事をすっかり忘れていたし。」
「でもかなり低位の魔物ですよ?闘うのが面倒なだけで死ぬリスクは少ないですし。」
レルミーはそう言いながら2人の暴走をどうどうと抑えている。まぁ、ここで鯨肉を出さなくて正解だったと感じながら私はカグヤの頭を撫でて褒める。ただ、私の身長はカグヤの160㎝の身長よりかなり低いために台に乗らなければならないのだけど。
「とりあえずこの実力があればレンと同じ物を仕込むことは可能だな。まぁ、レンにはレシピ集を渡すだけで終わる可能性もあるが。」
「まぁ、リューケ共和国に行くときにはシェドンは置いていくんでしょ?」
「そうなるな。まぁ、ついでに言うとヘレンかレルミーのどちらかも置いていこうと思う。少なくとも2つの国から攻められる事は無くなっているからな……。これなら安心して交流を持たせる事が出来るわけだ。」
実際、戦で取り上げた領地をこれ見よがしに取り返しに来るという事は無くなったのだ。それに関しては良かったと思うだろう。……まぁ、リューケ共和国の人間がどんな感じになっているかは不明なのだけどな………。
「下手するとあちらにも転生者がいそうだからな……。かなり面倒くさい事になりそうだ。ついでに言えば王国や帝国の様な長い期間同じ奴が政治のトップにいるタイプじゃ無く、数年でコロコロ変わる事もあるタイプだからな……。」
これまでは様々な交渉カードがあり、長い期間王が替わらないため不戦条約が長い期間変わらず有効となるだろうが、共和国だとかなり面倒な事になるだろう。まぁ、体目当てで何か言ってきたら殺してしまって都合の良い奴をトップに置けば良いのだろうが……それもまた面倒だ。
「まぁ、なぜかリューケ共和国に関しての情報は他の国でもあまり手に入らなかったからな……。私が聞かなかったのもあるが異常な程外に出る情報を制限している訳だ。……なんか他の2つよりも面倒になりそうという予感が外れてくれる気がしない……。」
できるだけフラグを建てて逆にアッサリと交渉が終わってくれないかと祈りながら私は馬車を走らせる。まぁ、フラグを建てまくった結果、さらに交渉が面倒くさくなりそうだけどその辺りはもう気にしていられないとも感じてしまうのであった。