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カグヤの腕前-1

あの後、サッサとバレーシア農帝国に帰る事にした私達は、カグヤを連れてさっさとラグバレー聖国を出ていった。いや、正直言ってゴルフェス軍帝国との交渉に着いてきてくれないか?と粘られたが、面倒なので『煉獄魔法』を応用して脅してみるとすぐさま着いてきてくれないかというのを撤回してくれたのはありがたいと思えた。


「……そういえば、カグヤの腕前はどのくらいなのかを知りたいんだが……。」

「早速作ってみろって感じなんですね!!分かりました!!メニューは何が良いですか?」

「材料はこちらで用意するからとりあえず肉料理だな。」


私がそう言うとカグヤは元気よく返事をした後、まな板と鍋を要求してきた。それと食材として使う肉を見せて欲しいとも言ってきたので私は『ボルトボア』の肉を渡す。『ボルトボア』は電気を纏った猪だが、肉は逆に電気を通さない様になっている為、普通に食材として流用されている。まぁ、感電する事があるので解体はかなり面倒なのだけど。


「『ボルトボア』ですか……。これなら……こんな感じでできますね。よしじゃあジャガイモと人参にタマネギをください。」

「分かった。量はこのくらいで構わないか?」

「はい!!それでOKです!!」


カグヤはそう言った後、さらに醤油と砂糖を要求してきた。なので私は2種類ずつそれを渡す。魚醤と普通の醤油、テンサイ糖とサトウキビで作られた上白糖の2つだった。それを見たカグヤはくんくんと匂いを嗅いだ後に彼女がこれまで使うことが出来なかった私達に馴染みの深い後者を選んでいた。


「……成る程、師匠はこれを欲しがっていたんですね……。匂いで分かります。これを正しく使えば美味しくなると!!」


そう言いながら何度も匂いを嗅ぎつつカグヤは肉じゃがを作り上げていた。まぁ、彼女は糸コンニャクなど他に肉じゃがに必要な素材を知らないので必要最低限にもなったが見た目と匂いは完全に元の世界での肉じゃがだった。


「……肝心の味はどうだろうな……。」


そう思いながら一口食べてみると、普通に美味いと思えた。これなら料理に関してをカグヤに任せても大丈夫だな……と思った次の瞬間、シェドンとヘレンが肉じゃがの入った鍋に向かって走り出していた。……その時まで私は完全に忘れていた。


「いくら雑魚かったにしても、あれ魔物の肉だったんだよな…。」

「ヘレンも慣れさせて貰えてないからね……。私は魔力が高いから発狂しないでいるけどさ……。」


とりあえず暴走が収まるまで暫くの間馬車を止めておく。そうしないとあの時の奴隷商の様に暴れ馬になる可能性があるからな……と思いながら、私は肉じゃがに舌鼓を打つのであった。

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