ラグバレー聖国との付き合い方-4
あれから肉じゃがとナンの他に色々と食べつつ交渉を進めた結果、無事に不戦条約と魚醤等の特産品を得る事ができた。まぁ、王妃達が私の身柄をとやってきたのは流石に一蹴したけどな……。
「まぁ、ナヌレス軍国をさっさと解体してしまう案には賛成ですな。あそこは不戦条約を受け付けるかわりにとんでもない事を要求してくるであろうし。」
「ありえなくもないな。少なくとも仕掛けた戦争で失った土地以上を要求するのは間違いないだろう。だがもうひと思いに解体させた方が良いな。ラグバレー聖国がゴルフェス軍帝国と友好であるなら特に。」
私はそう話した後に今ナヌレス軍国がなぜ残っているのかの仮説を話してみた。それを聞いて全員が納得するくらいナヌレス軍国のやっている事は単純であり、ある意味胸糞悪い感じなのである。
「簡単に言えば今のナヌレス軍国がやっている事は口減らしだろうな。そうでなければ土地の肥えていない地で生きるのは無理だ。もしかしたら人食もしているかもしれないが……魔物は出てくるからそちらを食べている方が普通だろうよ。」
「口減らし……ですか。確か食べ物を行き渡らせるために子供を殺すような事ですよね?」
「そうだな。それで無謀な戦争や奴隷商の派遣等をしていた訳だ。最初は戦争だけで良かったんだろうが……土地が少なくなるから奴隷商なんかに変えたんだろう。犯罪者なら殺しても構わないだろうと考えるのが普通だし、奴隷が運良く売れれば売った所で食料が買えるからな。」
まぁ、成功率は低いためもっぱら口減らしの口実なのだろう。ただ、馬に関してはどうなのかとも思える……いや、軍国なのだからなにかしらあるのだろう。馬を暴走させて寿命を引き延ばしたり、自力で国まで戻ったりさせる技術が。
「しかし口減らしで死んでいるのは大概ナヌレス軍国の平民達だろう。これまで本気で攻めてきてはいる物の、指揮官などは見えなかったんだろ?」
「そうですね。ナヌレス軍国にもそれなりの将軍がいたと思われますが……ここ数年は全く見ておりません。それにただ突っ込んでくるだけなので罠を仕掛けていればすぐに引っかかり死亡してきます……なぜこうなるのかは分かりませんでしたが口減らしの為ならば納得できますな。」
そう言ってラグバレー聖国の王は大きく笑っていた。まぁ、ラグバレー聖国は別の鉱山をいくつか持っていることや漁業に力を入れるため、ゴルフェス軍帝国と後日交渉すると話していた。まぁ、私達はそれに付いていくことは無いと伝えると王妃達はなんとも残念そうな顔をするのだった。




