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ラグバレー聖国-5

宿での部屋割りは私とシェドンで一部屋、レルミーとヘレンで一部屋とした。まぁ、一応婚約者がいるシェドンに何かあったらいけないという事でこの様な部屋割りにしたのである。で、シェドンは早めに眠ってしまったので私は明日行うであろう条約関連の事について考えていた。


「ラグバレー教の食事制限は勿論色々と面倒な事になっているな……。そして私達が主な輸出品として扱う馬鈴薯が食べられない日が微妙に多いんだよな……。一番厄介なのは食べてはならないじゃなくて、それだけを食べなければならないという規約だろうな……。」


酒という事で芋焼酎も考えたのだが、バレーシア農帝国で育てているのは馬鈴薯が殆どであり、芋焼酎の材料となるさつまいもの量は馬鈴薯と比べるとかなり少ない為、安定供給は難しい。それに加え、焼酎等を作る為の米がそもそも存在しないのだ。一応私が作る事も可能なのだが………田んぼを作る場所が無い。


スキルを使って品種改良してしまえば問題ないかも知れないが、それは最後の手段にしておこうと思えてくる。……最悪麦を使ってビールを造れば良いのだが、小麦はラグバレー聖国でも栽培されているので意味は無いだろう。


「つまり、交渉材料が上手く行く物かが分からないって事なんだよな……。むしろ堕ちる直前の奴とはいえ天使殺してる訳だしな……。アルを連れてこなかったのは正解だと思うけど。」


一応アルは聖剣であり第3天使長の体の一部ともなっていた経緯がある為ラグバレー教の中でも敬われる可能性は確かにある。しかし、下手するとアルが嫌がっているのにも関わらず引き留めようとしてくるかもしれないんだよな……。


「まぁ、最悪不戦条約だけでも成立させれば良いか……。」


私はそう言いながら聖書の別のページを開く。入信するつもりはサラサラ無いが、色々とこの国の状況を知る事が出来るのでかなり便利なのだ。まぁ、気になったのは軍役に関してと葬式に関しての情報だった。その情報さえ手に入れてしまえば少しだけこちらに有益な条約を結べるのでは無いかと考えたのだ。


「……まず、軍役としては男性と女性で半々となるような人数構成にする。つまり軍役に就かず別の仕事をやる男達を増やすという感じか……。こうしておけば戦争が起きても男性の数が減らないという様な感じになるのか。まぁ、軍役に就けるのは16歳から30歳までとなっているらしいがな……。」


ただ、明日の内に何か起こりそうだという非常に嫌な感じを気のせいだと何度も言い聞かせながら私は聖書をウエストポーチに仕舞って眠るのだった。ただ、ベッドのシーツが目茶苦茶硬く、安眠することは出来なかったけどね……。

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