ラグバレー聖国-1
私はレンをアルミナ達に預けて料理を叩き込んで貰う事にした後、ラグバレー聖国へと向かう事にした。ナヌレス軍国関連で面道事を防止する事や、その先にある、『ゴルフェス軍帝国』の情報も仕入れておきたいからだ。
「……まぁ、レンなら日本料理や菓子等の作り方くらいはすぐ覚えるだろうな……。」
「少々不安ですけど平穏をさっさと手に入れる事が1番早いですものね……。ですがラグバレー聖国に対する対抗策等はあるのですか?」
「一応はあるが、正直サッサと終わらせた方が良いからな……。こちらに不等な条約にならなければそれで構わない。まぁ、どんな国なのかは見てみるが流石にアッシルベン型糖尿病みたいなのが流行っている訳では無いだろうが。」
いや、感染症では無く生活習慣病的なアレなのだが……まぁ、あれだけ砂糖と塩を狂う様に食べていてよく普通の寿命で生きられるな……とも感じてしまう。しかしこの世界ではあの様な状態になっているのが普通という訳では無いだろう……。
とあえずラグバレー聖国に関しての情報をまとめた物を確認していくと、アッシルベン型糖尿病の様な国特有の病気等の項目は無かった。いや、アッシルベン型糖尿病も書かれていない感じだったから確定では無いのだけどね……。
まず、ラグバレー聖国は国名ともなっている光の女神ラグバレーを信仰する者が集まるメッカ的存在らしい。まぁ、たまにだがラグバレー教と言われる宗教を見かけたような……という感じだが一応この大陸では結構な権力を持つ宗教らしい。
「まぁ、基本的に無宗教の者が多いですからね……神話を教典として見る人は少数派ですよ。どちらかと言えば小説として読んでいる人が多いです。まぁ、神の種類が多すぎるだけなんですけどね。」
「その気持ちは分かるが、まぁ無宗教が普通なら国営も楽になるだろうな……。色々と行動を制限する宗教もあるからな……。」
私がそう言うと他の三人は笑っていた。ちなみにアッシルベン魔帝国も無宗教の者が多いらしく、一部の人間がラグバレー教に心酔して国を出て行く事が多いらしい。ただ、ラグバレー教もかなり面倒くさい規律があるのでアッシルベン魔帝国と食生活はあまり変わらない。
「……まぁ、ラグバレー教で無い者である来訪者には比較的優しいですけどね……この規律に関しては。ただ、この国で産まれた者でそれを破ると最悪終身刑になりますね。」
それだけ厳しくしてもあまり意味ないとは思うけどな……と思いつつも私達はラグバレー聖国までの旅路を馬車で走って行くのであった。ただ、この時私は面倒毎に巻きこまれる事に気付いていなかったのである。