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アッシルベン魔帝国-2

翌日、私はヘレンとレルミーを連れて『アッシルベン魔帝国』へと出発した。まぁ、夜の内に伝書鳩的な物を飛ばしていたので来る事くらいは知られるだろう。


「アッシルベン魔帝国とこの国の国境はあまり荒れていないな。まぁ、戦争を仕掛けづらい雰囲気が漂っていたなら仕方ないが。」

「そうですね……。でも本当に『魔人契約の書』も持って行かないといけないんですか?」

「あちらが納得できるようにしないといけないから、現物を持って行っておくのは当然かな。ただ、暫くはとある儀式の為に使わないといけないからすぐに引き渡すことはしないけど。」


とある儀式というのは『農民の歌』の修得の為だ。これがあれば歌を歌う事で土の品質を良く出来る。流石に予定よりも早く作物が育つようになる事は無いが、この世界の馬鈴薯は1ヶ月に4回も収穫出来る物と化しておりどんなチートだと考えてしまうのだ。


「しかし、この国境から後何日で王城に着くのかだな。一応この馬車はより速く動かせるが、他の馬車と事故るのは避けたいんだよ。」

「そうですね……。仮に王族であっても面倒事となるのは間違いないです。箱入り娘の状態に近かった私と行方不明と言われていたお姉様では権力などあって無いような物ですし。」


一応馬車よりも速く移動する事も出来るのだが……正直言ってこちらの方が面倒になりそうだ。気まぐれで引いたガチャの中で『誘拐用麻袋』という物があり、その中に2人を入れると吐き気等を一切感じさせずに運ぶことが出来る。しかしどう見ても人攫いに見えるので使えないだろう。


「……しかしアッシルベン魔帝国という割には魔術的な物があまりないな……。まぁ、国境近くだからそう感じるのかもしれんが。」

「魔帝国とは言いますけど魔具は『人工型洗浄結晶』以外はあまり目立った物が無いんですよね……。どちらかと言えば魔術寄りな国ですから。」


その為『魔人契約の書』を欲するという感じになっているらしい。もう一つの魔帝国の方は魔具を主体にしているらしいが、今は国の名前が変わったという情報をチョロっと流すだけで良いだろう。不戦条約は他に隣接している国からやった方が良いわけだし。


そう思いながら私達は街道を進んでいくが、王城にある王都までもう少しの所でノロノロとした馬車の渋滞に巻きこまれてしまった。……迂回しようにも獣道すら使えない程狭い感覚で木々が立っているのだ。そんな感じで王都に着いたのは夕日が沈む直前だった。


その為私達は謁見は明日にすると伝書鳩的な物を飛ばして宿を取ることにした。まぁ、この国の食事情も気になっていたので結果オーライと考えながら3人部屋を頼み、馬車をウエストポーチに仕舞って寝るのだった。ベッドが凄く硬いのが非常に嫌だったけどね……。

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