王の多目的ホール-1
とりあえずあの兄弟の光景を忘れさせてくれるくらいのインパクトがある死体が完成したので、軽く紹介してみよう。……別に私の気が狂った訳では無く、面白がって芸術の神『エマッサ』の剣である『オスティーデマ』を使ったら自然とそうなったのと腐女子ですら無い私にあの光景は下手な死体よりもトラウマになりそうだったからね……。
で、『オスティーデマ』で作られた死体の中で異彩を放つのがいくつか程ある。まぁ、それ以外の死体はクリスマスツリーの様に電飾で巻き付かれた感じにキラキラしているだけなんだけどね……。まぁ、それでも充分奇怪な死体なのは間違いないんだけど。
まぁ、1番奇怪なのは3人まとめて首を切り裂いた時に出来た合作、人間の死体をアート風にくみ上げた時計だった。ある者は肋骨と背骨をひり出され、くっつけられて翼の様な見た目を演出しており、3つの心臓が長針、短針、秒針を動かす様になっている。まぁ、針が男性器の先に舌を取り付けた者なのは代用品が無かったからだろう。
文字盤の3、6、9の位置は3人の顔で作られており12の部分だけは空欄となっている。まぁ、それはそれで良い感じになっているんだよなぁ……と腕やら脚やらは判別不可能なくらいに皮を剥ぎ取られて文字盤の基礎となっているから。
ただ、これらをこのままにしてはいけないだろうと思った私は一応『鑑定』してみる。…すると、彼等は彼等自身としての価値が無くなり『エマッサの肉時計』や『エマッサの光燭台』等に変化しており彼等の名前やステータスは表示されなくなっていた。
「……まぁ、『オスティーデマ』は元々は断罪の神『ガジックス』の持ち物で『切り裂いた対象の存在意義を無くす』という効果があった。で、これで戦の神やら大釜の神、水の神やらを強制的に排除したり、光の神や無心の神の代替わりをさせていた訳か。」
神話の中では新たな神を創り出す事も出来る物だったという事だ。まぁ、神としての存在意義しか消えない為、元となった物質の神が新しく産まれてくる感じになるのだと思う。ただ、私の『殺戮帝』で使うと代替わりとか、別の者が現れる効果は無いらしい。
……ただ、今回創り出したオブジェの内、電飾で巻き付かれた奴は1つ5000億G、時計はなんと7000兆Gの価値がある事が分かり、私は早速それをガチャポイントに清算した。まぁ、王とかにはこれ使わないで置くけどね……。
そう思いながら私は王の待つ場所へと向かう。ただこの時に王の間と書かれている筈の場所には何故か『王の多目的ホール』という意味合いの言葉が書かれていた。まぁ、確かに王の間って結構色々な事に使うけど威厳無くすような表記をわざわざしなくてもよくね?と感じてしまう私なのであった。




