殺戮帝-7
「さて、ようやく城の中に入れた訳だが……どれだけ弱い軍隊なのかと思えてくるな……。」
私は次々と襲ってくる軍人達を漁の神『ウクレス』の使っていたという『名無網弾』を使用して細切れにしていく。……神話の中ではウクレスが不遇な扱いを受けており網を撃ち出す銃を持つ者としか書かれていなかったのだ。故にテキトーな名前で作り上げたのだけど、正直かなり使える武器となっていた。
「……でもまぁ、この国の王様についての情報が次々と集まっていくのは嬉しいかな。この後、この国を運営するのにかなり楽になりそうだし。」
まぁ、この国の新たな王になる気は無いが馬鈴薯……もといジャガイモを生産する為には最低限の方針を決めておかなければならない。……実際この国で兵士達は肉とか食べているのか?パンは?という感じだからね……。最悪知識系チートを使いこの国の産業を増やすことも出来るだろう。
「まぁ、その為に確実に邪魔になる奴等を殺していかないとな」
私はそう言いながら軍人達の残した言葉から、ハンバルシア軍帝国の王、ロジャーには妃が2名いた。1人はロジャーの幼馴染である者……仮にAとしておこう。で、Bとなるのがかつて滅ぼしかけた帝国の第2王女である。なぜAやBと表記するかと言えば、この2人は大分前に亡くなっており普通の軍人は名前を知らなかった為だ。
ただ、ロジャーにはAとの間に長男、次男、長女、三男、次女という並びで子供を産んでおり、Bとの間には長男長女(双子)、次男、三男と産んでいるため結構子沢山だという。まぁ、その殆どが軍人となっているらしい。ただ、Bの次男三男は残念な事にこの戦で先陣を切る役割だったらしい。
……つまり、死んでいるのだ。それもえげつない方法で。ただBの双子は別の国の者と結婚し家を出ており、Aとの子は男3人と次女のみこの城におり、長女は長い間行方不明となっていると言われているらしい。
とりあえず私は『真実の鏡』を取り出しておく。……正直言って今からガチャを引いても王としてのカリスマがあるキャラを引くのは不可能だ。なので出来るならば農民達を卑下しない様な者を選んで仮初めの王にしてしまうのが良いだろう。
「……まぁ、まともな奴がいなかったらどうしようかな……」
そう呟きながら私は死んでゆく者達から最初に長男の居場所を耳に入れた。まぁ、長男は最も責任感を感じなければならないと偏見を持つ話はそのまま長男のいる部屋に向かい話しておこうと思うのだった。