殺戮帝-1
戦の前日は特筆する事も無く過ぎていき、いよいよ戦の始まりとなった。ただここで思うのはここの軍人達は強いのかどうか?という事だ。アベルトやら納屋に火を付けた時の奴等はかなり弱かったが、これが底辺なのか平均なのかは私には分からない。
「宣誓。私わたくし兵士一名は、この清々しい青空に仇なす者達を将を討ち取る瞬間まで、無傷のまま敵軍を殲滅し、紅い華を散りばめていく事を誓います。」
暇だった昨日の内に考えていた宣戦布告をした後、私は自分の着ている服が太陽の光を全く受け付けない程の黒いドレスである事を確認する。……いや、普通に考えればあの軍服のままでも良かったのだけど、私はあるスキルを試さないといけないと感じていたのだ。それは、私がこれまで最も多く使ってきたスキルと『帝』の組み合わせ……『殺戮帝』である。
まぁ、こう使用してみると『帝』の効果がとんでも無い事になっているな……と感じてしまうのだ。いや、あの攻撃を考えてしまう程意識がぶっ飛んでしまったのもまた事実なんだけどね……と思いながら私は紅く染まっていく竜巻を見ているしか無かった。
「……まぁ、防御無視の効果のある竜巻とかどうやって防ぐべき何だろうな?まぁ、ガンダレスだと平気であの竜巻を切り裂きそうだけど。」
流石に『獣達の協奏曲』等は使えないので今回は諦めた。しかし大平原に群がっている軍人達は私の新技である『オラージュ』に飲み込まれていく。竜巻に巻きこまれる事での死因として考えられるのは衝突死、窒息死、落下死だと思えるが、『殺戮魔法』で創り出した竜巻はより一層残酷だった。
私は大してイメージはしていなかったのだが『オラージュ』は洗濯機では無く何重にも張り巡らされたミキサーの様な構造になっている。その為ただ巻き上げられるのでは無く、風に体を抉られていくのだ。
「見えなくて助かったかな……。教科書にはイラストが使われているから平気だけど、筋肉を露出した風景はあまり見たくないかな……。鎧の破片が入り込んで余計に細かく抉られている感じだし。」
想像しただけで吐きそうになる程グロそうだ。まぁ、私は直接見ることは無いので問題ないけどね……。ただ、竜巻が段々と紅く染まってく為、大平原に何万配置していたのか気になる所だ。竜巻の高さは精々10メートルもあれば良いところな大きさである事も重なる。
………とゆーかあの竜巻を抜けてくる屈強な者は現れなかったので少し残念に思う。まぁ、アベルト等の弾丸は市街戦で使おうと考える私なのであった。いや、かなり使いにくいだろうけどね。