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宣戦布告-1

ガンダレスやジルフェもとりあえずという形でハンバルシア軍帝国への旅路に同行して貰っていた。まぁ、兵数に圧倒的な差がある事、ジルフェが馬鈴薯を使う料理を覚えたがっていた事が理由だ。


ただ、ハンバルシア軍帝国に辿り着いた私は……最初に見た光景にブチ切れた。その光景は肥満体型の兵士がガリガリの農民をひたすら鞭で叩いていた。……一応状況がどうなっているのか確認すると、農民達はあまりに理不尽な理由で罰を受けていたのだ。


簡単に説明すると、肥満体型の兵士達は軍の中では親の七光りで普通の兵士よりも上にいる立場だ……まぁ、ここまでは別に何の問題も無い。だが、農民達が納品した馬鈴薯を芽が出るまで放置し、いざ食べたら腹が痛くなったと鞭で叩いているのだ。


馬鈴薯を日向に放置して変色しているのを食べ頃と判断して生で食べたんです自業自得ですお疲れ様でしたと言いながら殺したくもなった。結局はその衝動を抑えて股間を蹴り上げるだけにしたけどね……。


「な、なんでふか貴様!!この僕タンを誰だと思ってまふか!!かの大将軍ミルノ・クーニの長男、アベルト・クーニでふぞ!!そんな僕タンを攻撃するなんてなんとも愚かな……。」

「私はここの農民達に用があるだけだ。豚に用は無い……死にたくなければ消えろ。」

「何をバカな事を……。この鞭術40の僕タンに敵うはずが……。」

 

アベルトが完全に井の中の蛙にしか見えなくなってきた気がした私はアベルトの鞭を左手の小指と薬指で挟んで止めた。それを見たアベルトは鞭を手放して魔法の準備を開始する。その魔法は『ファイアボール』と下級魔法だったが何故か自信ありげな顔を見せるアベルトに私はなんだか呆れてしまった。


「フッフッフッ……喰らうでふよ!!『ファイアボール』!!」


そう言って撃ち出された『ファイアボール』はこれまで私が闘ってきた者と比べると明らかに下だ。まぁ、こんな下級魔法撃ってくる奴の方が少なかったのだが、一番弱かった『ファイアボール』でもボウリングの球くらいの大きさはあった。しかしアベルトの物はソフトボールに近い物だったのである。


周りはピンポン球くらいの大きさなのかと呆れそうになる私は彼の持っていた鞭で『ファイアボール』を打ち返した。弾かれた『ファイアボール』は偶然にも彼の鎧に付いていた盾と剣と髭で構成されたエンブレムを焼き払っていったのだった。あれだけでは大したダメージになってないと判断した私は、アベルトを本格的に痛めつけるかと思い鞭を構えたのだが……エンブレムが無くなった途端周りにいた農民達がアベルトをリンチし始める。


……数分ほどぶん殴られたアベルトは鎧を剥かれて白いシャツと短パン姿になり、農民達は意気揚々と鎧を鍛冶場へと持って行った。多分鍬や鎌にでも加工されるのだろう。……ただ、この光景を見た私は近くの農民にこの国な現状を聞いてみることにしたのだった。

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