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番外編 平行世界の交流会-11

修羅場を蚊帳の外で見物していた私達はカップル席限定の商品を注文することは無かった。まぁ、どう見ても2人で1つの皿をつつく形の物ばかりだったのだ。だが、私も宮永もそれは嫌だというか、やりたくない気持ちが勝っていた為選ばなかったのは得策だろうと思う。


「じゃあ私はカルボナーラにするか。」

「私は海老ピラフにしますか。ドリンクは無しでも良いですか?ここのドリンクは微妙に高いですし。」

「あぁ、水だけで十分だな。とりあえず頼んでおくか……デザートはここで食べなくても問題ないしな。」


私がそう言いながら注文すると、ウェイトレスの人は私をジッと見つめてきた。……こちらもどこかしら見覚えがあるな……と思っていたが、料理が来るまでの間は宮永と別の事を話していたのであまり気にする事は無かった。


「お待たせいたしました。こちら海老ピラフとカルボナーラになります。ご注文は以上でよろしかったでしょうか?」

「はい、問題ありません。」

「では、伝票をここに置いておきます。会計時に持ってきてください。」


今度は別のウェイトレスが持ってきたのだが注文を取りに来たウェイトレスの様にジッと見つめてくることは無かった。ただ、宮永が料理が運ばれてきた後にこのレストランに関して話してくるのだった。


「そういえばここのレストランは最近料理長が替わったらしいです。なんでも、前の料理長が実家の料理屋を継ぐために空席になったらしいです。」

「そうなのか……。まぁ、このカルボナーラと海老ピラフに見覚えがあるんだよな……。どちらも黒華鉄家時代に見た物と具材が一緒なんだ。このぐらいの偶然はよくある事だろうがな……。」


そう思いながら食べてみると、黒華鉄家時代に料理長が作った物に似ている感じがした。ただ、最後の決め手となる隠し味が足りない感じがする。宮永は普通に美味しいと言っているのを聞いて少しだけ海老ピラフも貰ってみたが……こちらも後一歩という感じである。まぁ、料理長を呼ぶわけにも行かないけどね……と思っていると注文を取りに来たウェイトレスが席の前にいるのだった。


「……あの、料理長からこちらを渡して貰いたいと言われました。……それと、お久しぶりでございます……剣城様。」

「……久しぶりですね、佐倉さん。元副料理長とは今も仲が良いままですか?」

「いえ、仲を良いを通り越して結婚しました。その際に美華家から出ましたしね……。」


私はそれを聞いた後、佐倉さんの首に掛かっている結婚指輪のついたネックレスを見た後、祝福の言葉を掛けるのだった。……流石に料理関連に関わる仕事で指輪をしていたら落としそうだしなぁ……。

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