番外編 平行世界の交流会-9
「まぁ、ここで長く話している訳にもいかないから、また何処かでゆっくりと話さない?これ、私の連絡先になっているからなるべく早く連絡してね。他の皆も呼んでみるから。」
「分かった。まぁ、大して話すことは無いとは思うけどな…。」
流石にこれ以上話すだけで過ごす訳にはいかない為、私は呉松の連絡先を貰ってから別れる。ちなみにその頃には宮永も復活していたので丁度良い切り替え時期だったというのもあるしね……。
「……じゃあ昼を食べに行こうか。」
「そうですね……。じゃあ『夢のレストラン』に行きましょう。あそこは結構な広さがありますから待たなくても良いかも知れませんしね。」
宮永の提案から私達は遊園地の中にある『夢のレストラン』へと向かう事にした。…まぁ、あそこは最も無難な味の物が多いらしいしね……。母さんと来た頃は『ふれあい広場』近くで兎などと戯れながら弁当を食べたり、屋台で何かしら買っていた記憶があるのでこの辺りの事情はさっぱり分からないのである。
「まぁ、大分長い時間拘束してしまったので今回は私が奢りますね。まぁ、『夢のレストラン』は高い物が少ないですからね……、流石に食べた後はジェットコースター等には乗らないでください的な注意はされますけどね……。」
まぁ、遊園地の花形であるジェットコースターやらで毎回毎回掃除する事にはしたくないのだと思う。……実際衛生的な面でもその辺りは気にするだろうしね……と感じながら私達はメリーゴーランド近くにある『夢のレストラン』へと向かうのだった。
「……で、なんでカップル席に案内されたんだ?」
「どうせまた黒華鉄さんの見た目のせいだと思いますよ?まぁ、見た目だけで案内される事と多少割引されるメニューも出てくるのでデメリットは少ないですよ。」
通された席は赤の丸テーブルで椅子も小さいながらハートがデザインされているという席だった。『夢のレストラン』に初めて入った私はそこは予約席か何かなのでは?とも感じたのだけどね…。
「ここは恋愛ゲームの『ラブラブのフリ委員会』に出てきたシステムを採用している訳ですね……。このゲーム結構人気ですけど、何か知ってますか?」
「いや、知らないが言いたいことはあそこのやり取りで大体分かる。まぁ、カップル席がここを合わせて3つしか無い事からあんなやり取りになるんだろうけどな……。」
私はそう言いながら、入り口前で話すカップルっぽい2人とその知り合いらしきウェイトレスの様子を見守ってみるのだった。……いや、カップル席は結構入り口に近いところにあるから丸聞こえなだけなのだけどね……。