番外編 平行世界の交流会-5
まず、ここのゴーカートは全て電気のみで動く物だった。だが、なぜかレース形式になっている他、道路の方もアスファルトでは無い。……それと普通のゴーカートと違って某クイズ番組に出てきそうな輪っかが座席についていた。
「……いや、ゴーカートってあそこまで魔改造できる物だったのか……初めて知ったよ。」
「完全に未来の先取りしてますよね……。でもこれって版権とか大丈夫なんでしょうか?」
「デザインと名前を変えてるから大丈夫だと思う。正直変えたところで本質は変わらない気がするけどね……。」
そう思いながら私達はゴーカートに乗り込んで行く。その結果、私と宮永に織村とクラリス…そしてモヒカンのおっちゃん2名とギャルっぽい女性にハンドルグローブを着けたお婆ちゃんでレースが開始される事となった。
「明らかに異常な光景なんですが…」
「多分、気にしたら負けだ。私だってこのゴーカートは初めてな訳だからそうも言ってられないかもしれないが。」
「でもこのレースに勝ったら何があるんでしょうか?」
「……確か、ここの無料券だったかな?さっきレースしてたハンドルグローブ着けてる人がまた参加してるし。」
そう言いながら私達はレース開始の合図を待つ。……すると、やや赤くなったホログラムからトゲトゲした紅い甲羅を持つ生物がカウントと供に色を変え、甲羅を青へと変えたと同時にレースがスタートした。……お前はアレに投げられてくる奴だったよな?と思いながらも私はスタートダッシュを成功させてハンドルグローブの女性を追いかけるのだった。
「……いや、あの箱の赤のホログラムかよ……。」
そう言いながら私はそれを通過してアイテムを入手する。これは某レースゲームと違いその場に残り続ける為、誰かが先に取って、リポップするまでに通ってしまい手に入らなかったという事は無いらしい。
「だけど、このアイテムはおかしいだろ……。まぁ、語呂が良いのは分かるけどさぁ………。」
私はそう言いながら手に入れたアイテム『ムテキノコ』をハンドルの真ん中にあるボタンを押して使用する。ゴーカートの魔改造を見てこのアイテムは使った方が良いと思ったのだ。……まぁ、その結果私はアイテムによる被害を受けずに進むことが出来たのだった。
「………まぁ、2位をキープする感覚で走らせよう……。」
後ろから聞こえる断末魔というか、叫び声を聞いてしまった私は、もう1回レースはしたくないと感じながらゴーカートを操作していくのだった……。