番外編 平行世界の交流会-4
「……やっぱり、コース変更をした方が良いかな……。」
「そうですね……。袋は使いませんでしたけど吐き気は凄かったですしね……。」
「最初に絶叫系持ってきたのは悪かったと思うけどな……せめて2番目とかにしておけばよかったかもしれないしな。私も少しだけフラフラとするし。」
とりあえずバイキングの近くにあるベンチに座った私と宮永は休憩して置くことにした。まぁ、不自然な止まり方が何回かあった事もあり、暫くはまともに動けないほど憔悴してしまったのだろうと感じた私は宮永にパックジュースを渡すのだった。
「とりあえず絶叫系では無い場所で行くとしたら……『go!!カート』だな。ここのゴーカートはかなり変わっているからな……。」
「ここってゴーカートあるんですね。初めて知りましたよ。一応パンダやライオンの乗り物とかはありますけど……。」
「まぁ、地下にあるわけだから知らない奴は知らないだろうな。それにフリーパス持っていても1回しか無料にならないからそこまで頻繁に来る子供はいないらしいけどな。実際1回500円祓わないと出来ない訳だし。」
私はそう言いながらお化け屋敷付近にある階段を降りて地下へ向かおうとするが、お化け屋敷から織村とクラリスが出てきた。2人はなんとか乗り切ったという感じでカップル間を出しており、後ろからカツラとサングラスで変装していたペトラには気付いていなかった。
「……あれ?宮永と黒華鉄じゃないか。何処に行くんだ?」
「ゴーカートだな。良かったら一緒に来るか?人数多い方が楽しいタイプの奴だからな。」
「そう言われるとやりたくなるな……。でも、なんで地下にあるんだ?普通なら屋外でやるのが普通の筈だが……。」
「最近は電気で動くタイプのゴーカートも増えてきているからな……。排気ガスが充満する心配も無い分、コースを広く取るために地下を使ってるんだろ。実際この遊園地の敷地の半分の長さはあるからな。」
まぁ、その時の私は昔ながらのゆったりとしたゴーカートを予想していた。少なくとも恋人や友人とはしゃぐには並列移動的な感じだと思っていた。………少なくとも、スピンを繰り返すとあるゲームの様な感じに進化しているとは思わなかった。
「いや、なんで某レースゲームみたいなレースが出来る位にゴーカートを進化させているんだぁぁぁぁぁ!!昔の面影が全然残ってねぇぇぇぇ!!」
そう叫ばなければいけないほど、この遊園地のゴーカートは進化していた。まぁ、知名度が低いのか宣伝していないのか客足は少ないのは変わらないが、技術が驚くほど向上していただけでここまで印象が変わる物なんだと感じさせられるのだった。