ガールズトーク-3
私が防御無視の『殺戮魔法』では無く『獄炎魔法』を使用した事で、アルミナがギリギリで私の『獄炎魔法』の威力を縮小してしまい、ガールズトーク終了にはならなかったのだった。
「……いや、本当は縮小レベルじゃなくて消滅させようとしたんですが……どれだけ魔力を使ってたんですか?」
「いや、あれは『獄炎魔法』で無詠唱で出来る弱い奴だけど?」
「いつの間にか私の実力を追い抜いていきそうなんですが……。」
まぁ、1番威力の無い物という訳でもないからなぁ……。実際操作性を高めにして威力を抑える物も存在する訳だし。ただ、アルミナでもライターの火レベルまでしか抑えられないのは意外だった。まぁ、元々錯乱していただけだから威力が伴っていなかっただけかもしれないが。
「……剣城ちゃんはこっちのドレスも似合ってるよ~。」
「そうですよね!!先程のムチムチとした服も………って、『殺戮魔法』の方は止めて!!私はあまり攻撃手段持ってないから!!」
「……さっきの魔法使えば良いよ。多分減速とかには耐性無いし。半日前まで男の体形に近かった奴が級に合法ロリ爆乳にされた挙げ句、露出狂から渡されたスキルのせいであんなスーツも着せられたんだ。まだアレを出してない分だけ感謝しとけよ。」
私がそう言うと、アルミナと宮永はサーッと青い顔になった。宮永はアレの正体のあの扇を把握していないだろうが、全力を出しておらず威力が抑えられていた事は理解したのだろう。まぁ、それを出すと学園長達がさらに騒ぎそうなので止めているけどね……と思いながら、次は何の話題になるのかと思うのだった。
「……そういえば魔法って普通には使えないんだっけな……。これまでずっと男装していてよく使ってたからすっかり忘れてた。」
「まぁ、普通はそうなりますよ。私達だって狩りをする時も魔法は使わず、自力でやっていますからね。」
クラリス達のいる国は男物の服を着てもあまり違和感も無く、魔力血路無しの為に男装するという裏技は使えないらしい。……ただ蔵鮫は黒木のパンツをまたコレクションでもしているのか『回復魔法』だけ普通に使っていると話していた。
ただ、そこから蔵鮫とクラリスで好きな人の物はどこまで独占したいかという話になる。……まぁ、クラリスは思い人の織村とは既に付き合っているが遠愛状態のためどうなる事やらと考えてしまうのだ。
すると、学園長とアルミナがまたしても言い争いを始め、アルミナが自分のいた場所から学園長の方に向かって走って行った。ただこの後に蔵鮫からさらなる火種が投下される事を、今の私は予測していなかったのだった。