生徒会の混乱-3
「……元々あの体は胸に行く栄養を体全体に分散させるという催眠術から出来た物だったんだよ。」
私がそうコメントした直後、私とアルミナは異空間に閉じ込められる様な感触を味わうことになった。……いや、新しいアプリをガチャで手に入れたとはいえ、何も言わずに使うのはやめてくれないか?と思いながら発動主の蔵鮫を睨むのだった。
「……本当に使えたんだ。『リアルチャット』の異空間集合システム……。でも一夜以外の顔を見るのが久しぶり過ぎるよ。」
「あのなぁ……せめて相談してからこれを使ってくれ。『リアルチャット』は事情無視していく奴だからトイレとか風呂にいる奴がいたらどうするんだ。」
そう言いながら黒木が蔵鮫を叱っていた。魔法を使うためなのか忠誠心を表しているだけなのかは分からないが、未だにメイド服のままの黒木を見ながら、私は織村らしき人物と宮永らしき人物、学園長であろう人物の顔を確認するのだった。……クラリスだけは最初の演説で目にしていたので分かっていたが、他の3人とは顔を合わせながらの自己紹介もしていないからね…。
「……しかし、あの黒華鉄がこんな姿になるとは思っていなかったな。まぁ、本来ならその体になっていたという程違和感の無い造りだがな……。」
「実際その通りなんだよ。私が幼い頃に催眠術に掛かっていなかったらこんな不便な体になっていただろうな。正直料理する時にあそこまで下が見えにくいとは思わなかった。絶壁から急に山が出来るとこんな気分になるのかと思ったよ。」
ついでに言うと服も変えなければならなくなったのだ。まぁ、『王魂の林檎』の効力で魔力血路が私の中に出来た為服装の自由は広がったのだ。デカくなりすぎた胸のせいで少しだけという用になってしまったけどな。
「…まぁ、胸や顔、背の変化は良いとして……その猫耳と尻尾はなんだ?そちらの方が気にすべき所なんだが。後、学園長は今にも飛びつこうとしている様な構えを取らないでください。」
「…いえ、これは全力でモフモフしようとしているだけですよ?実際感情に合わせて猫耳と尻尾が動いている訳ですし、猫又みたいに2つもあるんですよ!!剣城ちゃんにそれが着いていたらモフりたくなるに決まっているじゃ無いですか。」
学園長はそう言いながらも織村とクラリスによって飛びつこうとするのを止められている。正直学園長レベルならば飛びつかれても軽くあしらえるのだけど、ガンダレス戦の後の為、手加減出来ずに……という事もありそうなので2人に任せておくことにする。
「ただ残念なのは語尾にニャがついてない事ですね。」
いや、逆に下着にそこまで大きな期待をするなと思う。多分この猫耳と尻尾を出す機能でいっぱいいっぱいだろうしね……と思うと同時に、これについて説明すべきかと迷うのだった。