生徒会の混乱-2
とりあえずガンダレスを説得しようとしてみた。しかし僅か3秒ほどで諦めようと感じたと、そのままヒドラに説明する。するとヒドラは簡単ではあるが面倒な事を言ってくるのだった。
『ガンダレスに『王魂の林檎』を完食させて王に出来ないなら、『ハンバルシア軍帝国』を壊滅させろ。元々ガンダレスが王になって滅ぼす筈の国だ。まぁ、悪政どころか疫病等を流行らせようとしているからさっさと滅ぼしてこい』
「扱いが凄い雑だな……。まぁ、『獄炎帝』を試す良い機会になりそうだけど……正直ガンダレスに直接行かせれば良くないか?」
「……国を滅ぼすのは楽だろうが、『ハンバルシア軍帝国』は様々な種類の馬鈴薯を作る技術がある。それを亡き技術にするのは惜しい。だが、新しい王になるつもりは毛頭ないしな。」
ガンダレスはそう良いながら栽培されている『馬鈴薯』の種類について話していた。ただ、最初は特徴から男爵やメークイン等と分かったのだが、途中からサツマイモや里芋、山芋等の『馬鈴薯』としてカテゴリされてしまっている物もあった。
「……国滅ぼすんじゃなくて戦意喪失じゃ駄目か?」
『駄目だ。芽が出たら腹を下す威力を発揮するとか屁が出やすくなるとか、手がかさむける物など有害な農作物もあるんだぞ?』
「……馬鈴薯の扱いに関しては馬鹿なんだな。馬鈴薯の芽はキチンと管理すれば芽は生えないし、生えたとしても対応できる。屁が早くなるのは迷信だ。」
それから暫くの間ヒドラの説得を行い、戦意喪失と新たな王(悪政をしない者)を置く事に依頼が変更された。正直この世界で芋という物とは出会っているのだが、安定した仕入れ先が手に入っていなかったのだ。
「……という訳で、軍と王族を戦意喪失させれば良いという事か……。ただ、戦争すると伝えたらさらにチャットが混乱しそうだ。まぁ、そんな事は誰も気にしないか。」
「……ただ、新しい王はどうするんだ?」
「ガチャでキャラを当てれば良い奴が出てくると思う。どうせ任せようとしてもアルミナとラピは着いてくるだろうし、ランタンは今更置いていくなんてマネは出来ないからね……。」
そして『王魂の林檎』を少し口に含んだ事のある私も王の位につく事はしたくない。……つまり、ガチャで適切なキャラを手に入れなければならないのだ。まぁ、女性が王という事で色々ありそうだけど。
そう思っているとチャットで生徒会メンバー+学園長の混乱も少しずつ収まってきていたので、私はそちらの対応をする事にしたのだった。勿論、先程の事の詳細は伏せて……だが。