料理教室とコーディネート-2
「……とりあえず、服を探す間は『獄炎帝』に戻っておくか……。」
私はそう言いながら『獄炎帝』を発動する。流石に『獄炎帝』になる度に胸が大きくなっていくという事は無かったのでホッとしてしまう。これ以上でかくなったらその内変な風に垂れていくという末路になりそうだしな……。
「ただ、下着に関しても新しい物にしないといけないからな……。これまで使っていた下の方もウエストが合わなくなっているからな……だが、またアレをやる訳にもいかないんだよ……。」
私はそう言いながらスマホの画面にわらしべガチャの項目を映した。一応この中で手に入れるのがもっとも確実に下着が手に入るのだ。しかし、この時に私はある下着の事を思い出す。ただ、それは前の世界ではかなり特異な下着として流行った物だ。だが、背に腹は替える事は出来ず、私は馬車を取り出して逃げるように引き籠もるのだった。
「……サイズ関連は確かめてなかったが、入るようになりそうだしな……。」
そう言いながら私は『タイショウオオマグロ』のツノをオークションに出した時に手に入れた物を担保にガチャをして手に入れた『猫ブラ』を取り出してみた。……すると、私の今のサイズにピッタリな物が出てくるのだった。
「ただ、胸元に猫の顔を模した穴が開いていて胸の谷間が目立つようになっているし、下の方は完全に猫っぽくなってるし……おまけに異世界だからか頭の方に変な感覚が……。」
「成る程、恥ずかしがっていた理由が分かりましたよ、剣城ちゃん!!」
「アルミナ、なぜそこに立っている?馬車の扉は全て閉めていた気がするんだけど。」
サイズやズレなどについてを確認する為に色々と動いていた所、何故か背後に鼻血を垂らしているアルミナがいた。いや、お前はそこまで変態なキャラでは無かった筈だろ!!と思えるのだが、今はそこを気にしては駄目な気がした為、私は即座に『獄炎帝』を発動する。
「……いやなんで猫耳以外に尻尾まで着いてくるんだよ!!しかも2本も!!猫又か!!今の私は猫又にでもされてるのか!!」
ついでに言うと猫耳も尻尾も私の感情に合わせた動きをしている。その為完全に猫になってしまっているなぁ……と感じるのだ。だが、なぜ『猫ブラ』としか書かれていない物を着ただけでここまでの変化があるのかと思い『鑑定』を行うと、『猫ブラ』では無く『猫又ブラ』となっていた。
「……未鑑定品って、ゲームの世界だけで通じる物だと思っていたよ……。」
私はそう言いながらパシャパシャと鳴り響くスマホのシャッター音を虚しく聞き続ける事になるのだった。いや、アルミナはせめて鼻血を止めてから撮ってくれとも思いながらだけど。