敗北の証-4
あの後、ガンダレスはとある国の騎士団長と闘って捕らえられたという事らしい。まぁ、捕らえられたというよりは保護されたという感じらしいがな。
ただ、ジルフェの事に関してはそこまで深く聞けなかった。まぁ、ガンダレスに救われたのは分かっていたし、ジルフェが延々と話し続けそうな事と唯一のストッパーであるガンダレスが仕事してくれなさそうだからなぁ……。
「……では次の質問だが、ガチャという能力は俺達にも使えるのか?また、その機能のある物は使用可能なのか?」
「ガチャをする為の媒体は使えるが、ガチャ自体は不明だ。これまで何回かこの世界の人間に渡してはいるが、その場で試したことは無いからな……。」
ただ、ガンダレスやジルフェにガチャで出てくるようなチートアイテムが渡れば鬼に金棒になる気がする。ついでに言うと慢心も出てこなさそうな為、金棒からさらにグレードアップした武器を持つという諺になりそうだ。
「……後、ガチャ以外で手に入れた物にも色々ある様だが……。」
「そうだな。『イートレスト・エルズ』の肉が大量に残っていたりするからな……。」
「『イートレスト・エルズ』の肉……か。」
「まぁ、私とランタン以外はこれを食べると依存症みたいになっていたからな……。ただ、ガンダレスやジルフェは大丈夫だろうけどな……。」
私達は何回か魔物の肉を食べていた為に慣れていたが、実力者であるガンダレスとジルフェならば問題なく食べられるだろうと思う。……ついでに言えば私の様に『殺戮魔法』の防御無効の効力が無くても『イートレスト・エルズ』を解体出来るだろうとも思える。
「……噂だけは聞いたことがあったんだがな…。まぁ、時期も合わなければセイレーン族の伝手が無かったからな。」
「そう言われると私には運があったという事か。」
「……恐らくそうなるだろう。」
ガンダレスはそう言いながら私の方を見ていた。その視線に何かを感じたのかジルフェが殺意にも似た視線を向けてくる。まぁ、「団長の食事を作るのは私の役目です」と言いたげな視線なのだった。まぁ、ガンダレスが何か作ってくれと言われれば私は逆らえないのだけどね……。
「…さっきの戦闘で小腹がすいてしまったからな。『イートレスト・エルズ』の肉で何か作ってくれないか?」
「なら竜田揚げでも作るか……。いや、小腹がすくくらいには消耗したんだな……」
「……『アーム・コキュートス』を使ったからな。」
まぁ、『王魂の林檎』の効力で強化されてもガンダレスに小腹をすかせるくらいしか消耗させる事ができないという事に驚きつつも私は竜田揚げを作るための準備に取りかかるのだった。