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誘導-4

「……とりあえず、逃げるにしろ倒すにしろ心臓か首を狙わないといけないのか……?いや、なんとなくだけどそれも無理な気がするんだよな……。」


目をあっさりと修復する事が出来ている事から、他の部位にも何かしら絡繰りはあると思われる。首を切り取ったとしても糸で修復してきそうだし、心臓もあっさりと復活させられるのでは?と頭の中でグルグルと回ってしまい、まともな判断が出来なくなっていた。


「……とりあえず『殺戮魔法』の利点を活かせるような戦法を取らないと……。いや、あの状態のガンダレスにはその利点すら無効にされそうだけど。」


『殺戮魔法』の利点は鎧や魔法障壁等の防御を完全に貫通するという物だ。これをガンダレスに滅多打ち出来れば私の勝利になる…が、『殺戮魔法』は攻撃は最大の防御と言わんばかりに反撃されると防がれやすい。


これまでなら並大抵の反撃には通じないという感じだったが、ガンダレスは軽く壊せるため、防御の構えを取らせて『殺戮魔法』を当てていくのを目的に行動した方が良いだろう。


「……『サイス』。」

「…武器?でもそんな物は関係ない。」

「……なんというか、転生者を馬鹿にしている雰囲気があるなぁ…。まぁ、これまで殺されてきた転生者があっさりと死んでたんだろう。少なくとも10分も闘ってない私よりも短い時間で殺されてる訳だ。」


とりあえずサイスを取り出してみた私は無駄骨ではあるが牽制になるかもしれない攻撃の為にサイスを構える。それを見てガンダレスもクマの手を構えた。まぁ、ガンダレスは私がサイスを選んだ理由はリーチの長さからだと考えていると思う。まぁ、あながち間違ってないと思いつつ私は絶えず『闇魔法』を使いながらガンダレスに突っ込むのだった。


「『ダークシュート』『ダークカッター』『影撃ち』『ダークニードル』『シャドウチェーン』!!」

「…こんな物、簡単に打ち砕ける。」

「まぁそうなりますよねぇ!!でもこれで一気に決める!!『イータープラント』!!」

「……っ!?」


私がそう叫ぶとハエ取り草の様な食虫植物が口内にガンダレスを入れる形で顕現した。そして私は『イータープラント』と叫ぶと同時にサイスの鎌の部分を飛ばした。さらに鎌の部分を失ったサイスの棒部分もガンダレスに向けて投げる。


「『オーケストラ』!!」


いきなりの鎌射出と棒の投擲攻撃に上下から防御を無視して押し寄せる『イータープラント』、大量の凶器を相手に向ける『オーケストラ』に、ガンダレスは目を見開いていた。ただ、これで終わるわけが無いと言うように私は『殺戮魔法』での仕上げに掛かる。本来ならばこれで防御の態勢を取らせて死亡させるという誘導的な事で終わりたかったが、それでは殺しきれないと考えた私はさらなる『殺戮魔法』を放つ。


「『アイアンメイデン・マトリョーシカ』」


私がそう言った瞬間、何十ものアイアンメイデンにガンダレスは閉じ込められることになった。これでどうにか出来たと考えていたが、それは私がガンダレスの力を理解していなかった事とそれに関する慢心があったのだと思う。ただ、今の私にはこれで一段落ついたと思っていたのだった。

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