初めてのG -1
「………………次にお待ちの方、こちらにどうぞ……………。」
あれから20分…………私の前に並んでいたの奴が買い取りを始めた頃に、並んでいた列の隣の受付に、休憩が終わったらしいギルドの職員が入ってきたので、私はそちらに移動した。
「素材の買い取りをお願いします。」
「分かりました。それでは、買い取りを始めさせていただきますね。『買取基準書』…………よし、完全に回復してるね。表紙の絵もしっかり書かれてるし。」
彼女はいきなりスキルで本を呼び出していた。………彼女曰く、買い取る素材の額を判断してくれるらしい。……………なお、この胡散臭そうなスキルはこの世界の人間には信頼されているらしい。少なくともそのスキルは野心を持っている人間には使えないらしいしね…………………。
「まずは『ウルフのしっぽ』が3つ…………これは0Gなのですが、ギルド経験値として1つで30与えられます。よって90のギルド経験値となります。ギルド経験値が50に達しましたので、ギルドレベルを2に上げておきますね。次にギルドレベルを上げるには100-40の60必要となりますね。」
「ギルドカードのレベルが2…………ウルフって強かったの?」
「少なくとも肉食ですからね………。普通なら20なのですが、このウルフ達は人を食っていたのでその分10追加されています。」
……………………美華の価値はギルド経験値30か………………。その辺を考えるとのたれ死んだ後にモンスターに食われて人生が終わるのは非常に嫌だな…………と思ってしまう私なのであった。
「それで次は……………『ウルフの犬歯』ですか…………。これも3つなので合計2400Gになります。なので、銀貨2枚と銅貨4枚です。…………………そういえば、この辺の硬貨についてはご存じでしたっけ?」
「……………………さっきので銀貨は1枚1000G、銅貨が1枚100Gである事だけで………。」
すると彼女は分かりやすく説明してくれた。残りの硬貨の値段は、鉄貨が1枚1Gで金貨が1枚10万Gとなり、白金貨は1枚1億Gとなっていた。だが、白金貨はこのギルドでは取り扱っていないらしい。
………………………貨幣の最高額が1億か………………。『奇跡の雫』を出したら市場が大混乱を起こすだろうな……………本当に。1億Gを2乗した値だからなぁ…………………そりゃ、略奪のために戦争起こすわもめ事起こるわ…………と実感するのだった。
ちなみに、手に渡された銀貨と銅貨はアイテムBOXであるウエストポーチに直接入れない方が良いと言われたので応急処置として胸ポケットに入れる羽目になった。…………………それは、欲しいもののリストに加わった瞬間でもあったのだった。




