漁村での収穫-1
「…………………『ひつまぶし 松の撫子』を頼む。」
「わ、私は『鰻重 松の吉野』をお願いします………。」
「おう!!じゃあ早速鰻を捕ってくるか!!ちょっと待っててくれよ…………。」
おっさんが私達の注文を聞いた後、店の奥へと行って調理を始めるのだった。その間に私はおっさんの奥さんにある事を提案するのだった。………………簡単に言えば『フレンドギフト』を利用してこの店の鰻料理を送って貰う事だ。
「……………………まぁ、旅をしている貴方達に届くなら問題は無いけど…………ちゃんとお代は払っておくれよ?材料の鰻は稚魚から買うとそれなりに高いんだよ………………。」
「その辺りについては問題ないかな。とりあえずこの契約の為に50万Gと『復活の砥石』を渡しておくから。この前金は鰻を買う足しにしてもらおうかなと思ってる。外部からの注文も取ると必然的に鰻がいなくなるのが早くなるから…………。」
まぁ、50万Gだとたりない気もするけどね………………。まぁ、多少の足しにはなるだろうしと思っていると、奥さんはそろばんを持ち出して物凄いスピードで計算していた。…………………そして計算が終わらせた後、ニッコリと微笑んだ。
「鰻の稚魚が1匹3000Gで成長薬が100匹分で1万G。成長薬だけでいえば5000匹分も貰う訳だからね……………。この契約は成立できるよ。まぁ、旦那に話して了承して貰えなかったら意味は無いけどね。」
「まぁ、その辺りは承知の上ですから。定期的にGも送りますけどね……………。旅の途中で戻ってくる事は無いでしょうから。」
「まぁ、米はそこまで高くないから逆に買いすぎて余ってる位だし、玉子やなんかも同じ様な感じだからね……………。タレの方もまだまだ材料は残っているから基本的には成長薬代になる。だから年に1回30万程で問題は無いよ。」
「いや、使い捨ての器を使って送って貰わないといけないので…これも置いておきます。注文した物はこの『皿製造マシン』で出来た物を使ってください。」
「分かったよ。流石に皿代は高いから心配していたんだよ。」
そんな風に話をした後、おっさんが注文した物を持ってきた。私達はこの交渉についての説明を奥さんに任せてそれを食べ始めた。奥さんから説明を聞いておっさんは少々難しい顔になっている。
そして私達が食べ終わった頃、おっさんはこの交渉について私達に自分の意見を話すのだった。まぁ、提示してきたのは少々手間だがデメリットにはならない条件だった。なので私はそれを承諾するのであった。