勇者狩りについて-1
スズラズの屋台から離れ、そのまま宴の外まで歩いた後、馬車をアイテムBOXから出してメイミを中に入れた。とりあえずアルミナとラピには一旦宴から抜けるとコメントしておいたので心配はされないだろう。……………自己紹介に関しては『鑑定』で読み取られているので省略させて貰おう。
「やはり、記憶のある転生者だとここまで良い物が手に入るのか……………………10年前の彼とは大きく違うねぇ………。」
「それに関しては色々と理由があるけどね…………。簡単に言えば転生する前に生きていたか死んでいたかという感じかな?」
「転生という物は普通死んでから来る物だと思っていたけど……。何が違うのかな?」
ごもっともな質問だなぁと思いながら私はその質問に対応する。もしかしたら理解されないかもしれないが、話して置いて損は無いだろう。……………………少なくとも彼女には転生者に関する純粋な好奇心しか見られないからね……………。
「私達が転生させられた時の手段が巨大隕石の衝突だからね……。それで死亡したのが殆どだけど、地縛霊みたいに隕石の落ちた施設にいた霊達もそのまま転生させられた訳。本当ならば転生するのは私では無い教師1人だけだったんだけど。」
「転生に巻きこまれた訳かぁ……………話を聞く限り霊と生きていた人間では転生した時の仕様が違うんだなと思うけど、実際どの辺なんだろうか?一応霊が25年前に赤ん坊として転生した様な事だろうとしか推測できないよ。」
「大体それであってる。ただ、生きていた人間から転生した者は魔力血路が無い。簡単に言えば性別を偽るか擬似魔力血路を埋め込まなければ魔法が一切使えない。その変わりにアイテムやスキルが手に入る能力が手に入れられる様になってる。」
私がそう話すと、メイミは本題とも言える話題を出してきた。まぁ、普通に聞いてくるとは思ったけどね……………。
「で、転生の目的はなんだった訳?」
「………………どうしようも無い程嫌な王国が魔王を倒そうとして呼んでいただけ。まぁ、クラス別にちょっとバラバラな感じで転生させられたから巻きこまれることは無かったけど。」
「……………………そっかぁ。でも巻きこまれただけだし、魔王討伐にも参加していない…………というかむしろ勇者達を止めた側の人間か………………なら転生者狩りに狙われる心配は無いね。」
いや、転生者狩りってなんだよ……と思いながら私はそれについてメイミに聞いてみた。するとメイミはとある2枚の絵を出した。その絵は写真の様な精密さがあり、転生者狩りの人相がよく分かる様になっていたのだった。