漁村到着-1
「………………………………なんかあの街、かなり盛り上がってないか?なんか凱旋パレードみたいな事してるし。」
「多分何か大物を倒したのでしょう。それか街で行われる祭りのどちらかか……………いずれにせよ、面倒な時期に到着しましたね…………………。」
まぁ、1週間から2週間くらいはこの街に滞在しようと考えているのでこの街からすぐに出るという事は出来ない。ただ、街の入り口を見るとよそ者が入りにくいテンションで盛り上がっているのだった。
「とりあえず街の中に入って話を聞くことにしよう。でもこの馬車を盗られると困るからアイテムBOXに戻すけどね。」
「まぁ、そうなりますよね……………。私も似たような事を考えていましたし。」
アルミナがそう言いながらラピを降ろす。ちなみにランタンは私が言う迄に馬車から降りていたのだった。……………ただ、宿に泊まらずに3日ほど進み続けて到着した街は私達の想像を遙かに超えるテンションで私達を迎え入れたのだった。
「……………………………でもって、これは何の祭りなんだ?色々と屋台があるけど………………。」
「おっ、坊主知らねぇのか!?ここいらでは結構話題になってたんだが………………。余所者なら知らなくても仕方ないか。この宴はな、アルマヤクラーケンを討伐した事を記念しての宴だ。まぁ、俺は鰻の調理法しか知らねぇから相も変わらず鰻しか売ってないんだがな。」
棒立ちしている私達に話し掛けてきたおっさんのおかげでこの宴についての概要と街の名前を知ることができた為、おっさんが売っている鰻を買おうと値段を聞く。するとおっさんは自分の出している店に案内してくれたのだった。
「おーい。客が来たから準備してくれ~。坊主に嬢ちゃん達、すまねぇが先に喰う物を決めてくれ。なるべく早く決めた方が良いぞ。俺達は生きた鰻を捌く所から始めるんだからよ。」
「そうなのか………………かなり本格的だな。…………………さて、どうしようか………。久々に食べる魚がまさか鰻になるとは思わなかったがな…………。」
私がそう言うとおっさんは笑いながらこう言った。これはこの地域だけの常識なのだろうが、一部普通の言葉もあった為、気にしない事にするのだった。
「まぁ、内陸の街出身なら魚は喰ったことが無い奴も多いだろうな。干して長持ち出来るようにしたところで、長い時間が掛かれば腐っちまうのに変わりはねぇし。」
「まぁ、魚は基本海に近いところで無いと食べられませんよね…」
「そうだな。まぁ、坊主達の中には魚を食べていた奴が何人かいるらしいな。普通の余所者はここではパンしか食わねぇ奴の方が多いのになぁ。まぁ、喰ってみればたちまち虜になるだろうけどな。」
……………………………まぁ、そんなこんなでメニューを渡されたので、私達はその中から食べる物を選ぼうと目を向けるのだった。