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番外編  マシロと魔王-3

「うぅぅぅ…………で、でもマシロが私と同じ答えを出したのは意外だったのじゃ。世界が滅ぶ原因は何か?という質問に…………。これが勇者だったら間違いなく魔王とか答えるだろうがな。」

「まぁ、私も殺されなくて良かったから良いんだけど………。この答えが『何も起きず、何も現れなかった』という理由で正解なのは嬉しかったわ。『大量感染ハザード』や『戦争』なんて言われたらどうなっていたかも分からないしね………。」


マシロはハシュを慰めながらそう言った。ただ、なぜ何も起きなければ、何も現れなければ世界は滅ぶのか?という事だがこれには簡単な訳がある。世界とは常に衰退している様な物で娯楽や新しいエネルギー等が現れるからこそ次の世代への期待を込めて生きていける。しかし、何も起きなければ退屈から怠惰となり、そして徐々に衰退して息絶えていくのだ。


また、何も現れなければという理由についてもだが…………隕石でも悪の秘密結社でも大怪獣でも、果ては未知のウイルスであったとしても、世界の危機という物が現れれば何かしらの対抗手段となる者達がどこからともなく現れ、解決する。だが、何も現れなければ当然その様な救世主的な物が現れる事は無いのだ。


「……………………ただ、質問の後にここに住まわせて貰っているのはありがたいかな……………。25年生きていて1ヶ月も同じ場所で寝泊まり出来ていない人生送ってきたから安心感が凄いよ。」

「…………………それはどういたしまして………なのじゃ。じゃが、赤ん坊の時も1週間同じ場所にいれなかったか?」

「………………赤ん坊の時は旅行関連で、成人するまでは細かいトラブル防止の為に同じ様な場所を転々としてきたからね………。」


色々と波乱な人生を送ってきたマシロがなぜ『世界が滅んだ理由は何も起きず、何も現れなかったから』という答えが出せたのか…………それは、マシロの曖昧になっていた記憶から起こる物だった。


「…………………それにしても、16になった頃から前世の記憶…………というよりは、忘れている様な事があるんですよね………。とはいえ断片的な物ですし、記憶の種類も少ないんですけどね。」

「ほう…………………ならそれを肴にまた飲むかのう。マシロが黒歴史を掘り返したせいで酔いが覚めてしまったからの………。」


ハシュがそう言うと、マシロは語り始めた。前世というよりは自分自身の記憶とも呼べそうな記憶のことを。記憶の中に常に現れる、1人の少女の事を。

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