下着から始まるわらしべガチャ-2
ウルトラレアであるスキル二つ、『殺戮魔法』と『鉄檻魔法』には聞き覚えがあった。これはグラボーの中に存在していた技の名前だった。それも、これを使えるキャラはそれぞれ一人だけというユニークな技だったはずだ。
『殺戮魔法』を使えたのは◯◯文庫とのコラボイベントで登場した『クラシア・フィーメルテン伯爵令息』の使う魔法だった。ラノベ版は読んだことは無いが、コラボイベント中に対峙した時に使ってきたのは『アンサンブル』と『コンサート』という様な名前の凶器となる様な武器や物を相手に向かって撃ちまくるという物と、『ハルバード』と魔力で構築されたハルバードで斬り付ける二つだ。
「…………………まぁ、これで命の危険は少なくなったかな?………いや、でもステータスを隠す事が出来るスキルとかがあった方が良いよな……。まぁ、これはガチャで手に入れるには難しいかもしれないけど……………。」
使い方はどうであれ、『殺戮魔法』なんて物騒な名前のスキルを持った人間を信用する人間は同類以外には少ないだろう。下手したら牢屋行き、悪くて処刑だ。それだけは避けたいと思うのだが、ガチャのPをつぎ込んだからと言って確実にステータスを隠してくれるスキルを手に入れられる保証は無い。
「かと言って都合良く信用されるイベントが用意されている訳はないしなぁ…………。もしかして、一生町の外で生きていくこと決定した?いや、それは無いと思うけど…………。」
そう思いながら私はもう一つのウルトラレアである『鉄檻魔法』を確認する。このスキルはグラボー内でご都合主義を確立させた魔法と言っても良い程のスキルだった記憶がある。…………例を挙げると『契約の檻』という特定条件を満たすと消滅する、逆に条件を満たさなければ消えることが無いという鉄の檻を作り出せる技だ。
これを使っていたのはキャラでは無くシステム様である為、知っている名前はそれだけだ。………………いや、『契約の檻』で一番厄介だった『本能寺の変』というクエストの難易度を格段に上げたのもこの魔法だったはずだ……………って、この話しをしたら話しが逸れるのでやめよう。
………………このガチャ関連の話しに戻すと、『帝高校チャット』に出て来たログに出て来た『ノーパンになっても構わない。むしろそんな私が………グフフ』という記事などがあり景品の種類は違えども他の生徒達も回しているらしかった。
…………………そのログの、中には葉っぱの下着でも、一度使用すればガチャ券として使用できるようになるという割と重要そうな情報もあったが、実行する気にはなれなかった。…………ただ、他の生徒達の結果は気になったので、そのログをもう少し読み込んでみるのだった。




