廃村からの報告書-2
『悪魔の苗床を殺したのだが、君達の大切な仲間では無かったのかと思うと、申し訳なく思う。しかし、私は悪魔には良い思い出が無かった為、腹の中の卵ごと殺した。すまないが、この事についてどう思っているかを正直に話してくれ。』
この書き込みがされたのは新がチャットで話していた時間から僅か5分程しか経っていない。ただ、彼女を偶然発見し殺したのがこの書き込みをしたという事は理解できた。ただそれは3組に所属していた者では無いだろう。
「……………………………ただ、一番気になるのはなぜチャットが出来ているか、という事だな……………。美華の時にはすぐに死んだ時は使い物にならない鉄塊になりかけていたし。」
「もしかしたらガチャの能力じゃないですかそれが抑止力となってチャットを生き残らせたと思うんですまぁ多分それが本当かは分からないのですけど説としては1番あり得ると思いますマスターから聞いた話だとそれしか考えられませんし。」
「…………………そうなるよなぁ………。ガチャ能力を持っていたらスマホの方の機能も高くなるのか?まぁ、検証出来ないからどうでも良いけど…………。」
そう言いながら私はチャットの続きとその流れについて見ることにした。まぁ、彼は元々3組のイベントとして訪れる偶然的な手助けキャラだったはずなのだ。だが、新のせいで3組は逃げ出した2名を残して全滅…………………なんとも嫌な終わり方だと思うのだが、彼等が望んだ道なので気にしない事にしたのだった。
『3組が2人を残して全滅してしまった事が心残りになるだけだな。新を苦しめていた奴も悪いが、新の復讐法も許される行為では無い。』
『悪魔の子を見に宿していた彼女を救うのでは無く殺したのは許しにくいけれど、自分の命を考えたら同情する事は出来ない。』
こんな意見が殆どだった為省略するのだが、そのコメントを見る限り殺したという手段だけは責められているものの、人を奴隷扱いしようとした人間に本気で支持をする事が死んだ事で安心したと答える人間が多かった。
「………………………………ただ、この書き込みをしている人間は転生者なのか?使い方が分からないと書いていないし、結構長い文をほんの数秒で誤字も無く打ち続けてるし………。」
私がそう思っていると、チャットの向こうの人間は新たな書き込みを行っていた。その中で私は彼が幽霊からの転生をして転生者と確信する。しかし、その名前を聞いても私はピンと来ないのだった。