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昔の記憶-2

私の胸の傷は既に無くなっている。これは医者の腕が良かった事が傷跡が残っていない理由なのだろうが……………心の傷が私を痛めつけてくるのは変わらなかったらしい。


「………………………………あの時、母さんは大量の血液を輸血したけど、その時に血液が少なくなっていたのを無理矢理抑えつけて生きていた反動で体が弱くなったと医者は言っていたけど、本当は体が弱くなる一歩手前だったのが私のせいで悪化したんだろうな……。」


そう思いながらも私は自分を刺した子供を思い出してみる。少なくとも比較的近所に住んでいた織村家の人間では無かった気はする。織村の妹とは接触した事は無いものの、あの事件の後に親と子共々刑務所に入れられたという記憶がある為、犯罪歴の無い織村家では無いと断言できる。


ちなみに子供と母親が刑務所に入った理由は色々とある。子供の場合は殺人未遂だが、たった1人の血縁である母親と離れないようにという理由で刑務所内にある学童施設の様な物の中で生活させられる様になったというだけであり、少年法に守られ前科はついていない。


母親の方は…………………我が子への殺人教唆である。動機としては私とその子供が取り違えられた子供であるという主張で有り、子供を返す代わりに金と豪邸寄越せという感じだった。しかし、取り違えという事実は当然無く、私はDNA鑑定の結果母さんと糞親父の娘、その母親の娘もそのまんま母親の娘だった訳だ。


まぁ、金持ちとの取り違えなんて小説でよく見るが、そんな偶然が医療ミスが少なくなってきた現在でもあると思っていたのだろうか?ただ、今思えばあの事件から私は糞親父の事を完全にそう呼び始めた気がする。当時は美華の様な糞女の子供がいると分からなかった事も重なり、我が子の危機を全く心配しないどころかボソッと「何で生きてるんだよ都合の悪い」と言う程だったからな…………。


「……………………………思い出した。子供の名前は美多羽みたばね 樹璃悦兎じゅりえっと。母親の名前は美多羽みたばね 茉莉亜まりあ………………糞女の姉と姪だったな。あの女は糞女に嫉妬して、本妻を糞女と思い込んでいた結果起こしたんだよな………。旧姓同じなんだから取り違えた!!と叫んでいた訳だし。ついでに言えば父親もなぜか糞親父だったのも関係あるんだろうな。知ったのは母さんが死ぬ少し前だけど。」


ただ、全ての元凶はやはり糞親父と糞女なのだと認識してから、私は夢の続きを見る。するとその事件の終幕から一気に時間は進んでいった。場面は…………どこなのか思い出せない程どうでも良い場面なのか?と感じながらそれを見るのだった。

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