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ヘアスタイルはシンプルに-4

アルミナを部屋に運んだ後、私は自分の髪を触ってみる。洗浄石の効果で痛んでいないように思えるが、長すぎれば段々と面倒な事になるのは間違いないだろう。母さんが手入れしてくれていた時には膝辺りまで伸ばしていても普通に手入れできると感じていたくせに、今では腰辺りまでの長さで既に手入れが面倒だと感じてしまうのだ。


まぁ、男装を始めてからは自分で手入れする事が多くなり、髪も肩にすらかからない長さをキープしていたからな…………。そう思いながら私は髪を切ってもらおうとランタンに頼もうとするも、ランタンは初めてまともな風呂に入った影響か、すっかりのぼせていたので諦めざるをえなかった。ラピの場合は何しでかしてくるか分からないしね…………。


「旅先で床屋見つけたらそこで短くして貰うか………。この世界でも美容院よりは安く切ってもらえるだろうし。金は十分ある。…………まぁ、次の町にあるかどうかは分からないけどな…………。」


髪が短かった時期に通った町では美容院らしき物は見つけたが、貴族御用達の美容院で有り、ただカットするだけで金貨が数十枚消えるのを見て馬鹿馬鹿しくなり入るのをやめたのだ。恐らくこの世界では貴族が美容院、平民が床屋なのだろうと認識したので収穫が無かった訳ではなかったのだけど。


「…………………………………そういえば昔の私の写真を見返してみると、色々と髪型変えているよな……………。多分母さんがやっていたんだろうけど、その髪飾りって今どこにやってたっけなぁ…………?」

「家を出る時に持って行かなかったんですか?」

「持って行けたら持って行ったかもしれないけど、私が6歳の頃には使わなくなっていたからどこかにしまわれて、探す間も無く家を出たからね……………。私が家から持って出た物は……………って、もう復活したのか、アルミナ。」


部屋まで運んでいく程のショックを受けていたはずのアルミナがまた復活していた。ただ、髪をいじってくる様子は見られず、私が使っていた髪飾りの事が気になったらしい。


「私が家から持って行ったのは自分名義のと母さん名義の預金通帳と母さんのレシピノート、キャリーバッグに入れられる程の衣類、スマホとノートパソコン、保険証と実印、腕時計に何種類かの靴、母さんの位牌と遺影…………………後は忘れたけど生活に必要な物だったかな。」

「つまり、髪飾り関連は持って行って無いと?」

「そうなるね。ただ、糞親父と糞女の子供達が付けていなかった事を考えると、勝手に売り飛ばされたか、はたまた壊されたか、それとも隠してあるのを見つけていないのかが分からないけどね………………。ただ、いくつか私のデザインした髪飾りもあったんだよな………………。」


後日、そのデザインした髪飾りが意外な所で見つかるのはまた別の話である。そんな前置きがある様な事が起きるかもしれないと思いつつ、私は自分の使わせて貰う部屋にランタンがいる事を確認した後、アルミナを部屋から閉め出してからベッドの中に入り眠るのだった。

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