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賢者アルミナの初ガチャ-1

「『グラボー』ですか…………。これは確か、友人に勧められてやっていた物ですね。戦略性やキャラのイラストが良くてたまにやってました。ただ、ガチャの運は良くなかったんですけどね。」

「前の世界では私も大した事は無かったけど、ここだとウルトラレアが比較的多く出るから大丈夫だと思いますよ?まぁ、ランタンみたいな『キャラ』は中々出て来ませんけど。」


これはラピに遭遇するまでの2ヶ月間、1人も出て来ていないことから明らかだ。ただ、必ず主従の関係を結んでくれるとは限らない。それは私が引いたにも関わらず、蔵鮫と黒木に服従を誓ったアリアマリンというキャラが物語っている。


「そういえばアルミナの『グラボー』での初期武器はなんなんだ?刀やらが腰に来ないところを見ると、指輪か紋章だと思うのだけど……………。」

「私の初期武器は勧めてくれた友人に騙された結果、『灰の紋章』でした。あれサポート系と書いてあるのにレベルが30くらいまで上がらなきゃ紋章の効果すら使えないなんて知っていたら別のにしていたくらい苦労しましたよ……………。」

「まぁ、大器晩成型だったからね、あれは。ただあれはチュートリアルすらままならないと思うんだ。最初はプレイヤー1人だけだし。味方のキャラいないし。」


紋章は『グラボー』にとって時間は掛かるけれど、鍛えれば一撃で相手を全滅できるという程の威力がある。まぁ、両方の防御力と物理攻撃力を犠牲にした結果なのだけどね………。だが、それを主人公の初期武器にするのはオススメされない。


なんせレベルが低いと一発どころか紋章の発動すら出来ないのだ。指輪も同じ魔法なのだが、こちらは発動するコストは少なく。隙も少ない。ただし、紋章に比べると威力はガタ落ちしているのだ。だが、攻撃とサポートを両立できる。


「そのくせ敵から受けるダメージは多くなりますし、敵にはあまりダメージを与えられませんし………。どれだけ頭を使ってチュートリアルを突破したことか………………。」

「あの鬼畜じみたチュートリアルをクリアできたとしたら凄いことになりますよ。他の武器で行くと温ゲーなのに紋章………しかも攻撃用の物を一切持っていない灰色でクリアするのは神業に近いですよ!?」


私達はそう話し合っていたが、私はこの時かなり恐ろしいことを考えていた。『グラボー』の『灰色の紋章』はゲーム内ではあまり役に立ちにくい効果だった。簡単に言えば相手の行動を1ターン不可能にするという時を止める物だ。これは護衛クエストなどで役に立ちそうに見えるが、護衛対象も止まる為あまり意味は無いのである。


しかし、現実でその効果は…………………はっきり言おう。アルミナが完全なチートキャラになりつつある。…………いや、ラピを使役している時点で既に…………と思いながら私はアルミナの初めてのガチャの結果を見つめるのだった。

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