クラリスと急展開
それから、私達は食材ガチャで食べ物を手に入れるという基盤ができました。現地の物もしっかりと食べているのですが………肉が多い事、遠距離武器の私も走らないとモンスターが射程範囲に入ってくれないという理由で走り回っていたのです。
その結果、2ヶ月間体が鍛えられて少しだけ筋肉質になってしまいました。その間私は隆一郎の事を思いながら抱き枕を抱きしめたり、抱き枕に成り代わっていたペトラを潰しかけたりしました。…………『自然回復』のスキルをペトラが持っていなかったら次の日の朝に動けない状態になっていた事ですしね……………。
ただ、あの討伐派教師大量虐殺から2ヶ月経っているので、そろそろ黒華鉄さんは海に着く頃でしょうと思っていると、驚きのメールが届きました。それは私だけでは無く、隆一郎や宮永さん、蔵鮫さんに黒木さん、果てはグループチャットに参加していた学園長までもが驚いていました。
『捕まっちゃった(笑)』
この書き込みと供に、黒華鉄さんとガチャで当てたキャラらしき女性が手錠をかけられている姿が写されていました。どんな経緯でなったのかは後日書くらしいのですが、正直言って黒華鉄さんがそう安々と捕まるはずが無いのです。なのに、何故………と思いながら、私達は彼女を捕まえたであろう女性の画像を見るのでした。
「…………………………誰なんですかね?この女性は…………。」
「元々この世界の住民だったという人では無さそうですね………もしかしたらガチャの能力をもっているかもしれません。ただ、黒華鉄さんが抵抗していない、けれど奴隷関連の物も無いのはおかしいですよね?」
「手錠も見た所普通の素材ですから、本当にただ捕まっているだけなのでしょうね………………。」
ただ、今後黒華鉄さんがどうなってしまうのか?と感じた私達は黒華鉄さんのメッセージを待ちましたが、あの書き込みから何時間たっても書き込まれないため、書き込めない事態になっているのでしょう。そう思いながら私達は黒華鉄を心配するのでした。
「魚……………竹輪…………はんぺん……………それが手に入れられる様になるのは当分先なんですね……………。肉だけじゃなく魚系の主菜が食べたい……………。」
「竹輪やはんぺんは加工できるかまだ分かっていませんよ…。食べたい気持ちは分かりますが、耐えてください。ガチャの方ではなぜか魚介類の物がありませんし。」
宮永さんだけは黒華鉄さん自身の心配というよりは、黒華鉄さんが送ってくれるはずの魚について心配していましたけどね…………。肉だけじゃなくて魚も食べたいという気持ちは理解できますが、せめて黒華鉄自身の事も心配してあげてくださいと思うのでした。
次回から剣城視点に戻ります。当初は作中の3ヶ月後に海に到着するという予定でしたが、織村視点書いてる内に別のアイディアが出てきたのでそちらに変更しました。