クラリスと恋愛事情-4
「……………………私は本当に恋なんてした事ありませんよ。他の皆さんとは違ってロマンチックな出会いもテンプレのような出会いもありませんでしたから。」
「宮永さん……………でも、隆一郎に恋していない事はありがたいですよ。下手するとこのアイテムの効果で殺しそうになりますから……………。」
「それだけはありません。あんな天然ジゴロの様な人に惹かれる訳にはいかないんですよ…………。向こうではお見合いして結婚する様な形になりそうでしたしね。」
………………………もしかしたら宮永さんの家では大人になってからお見合いをするという事が普通なのでしょうね…………。私の家の場合は産まれる前からお見合いの申し込みがあると母様が話していましたが、全て突っぱねられる物らしいです。基本的に金目当てだったり乗っ取りが目的だったりしますからね…………。
「そういえばクラリスさんが会長に惚れた理由は金や乗っ取りも関係ないと言った所ですよね?それと誘拐されかけた時に助けられてもしましたし。…………………ただ、間違って私が連れて行かれそうな時にはクラリスさんが誘拐犯をとっちめていたので会長の助けは必要なかったんじゃあとも思いますけどね……。」
………………いや、その頃には執事やメイドを連れて行けていなかったのでフェーリアから渡されていたスタンステッキがあったからですよ…………………。体術も習ってはいますけどまだまだですし……。
「……………………そういえば恋愛関連で色々と問題になりそうな事はありますよね……………。龍乃宮さんなどの黒華鉄さんが女性なのに男性として恋をしている人達の事。」
「それは龍乃宮さんだけでは無いのでしょうか…………?まぁ、髪を短くして男子の制服を着ていれば間違えるのは仕方が無い気もしますけどね………………。」
真実を知った龍乃宮さんがどんな暴走をするか分からないため、私達は彼女にバレるまでこの事は黙っている事にした。幸い彼女達は騎士団の方で別行動ですからね……………。
「1番の問題は隆一郎達がどこにいるのかが把握できていない所ですよね……………。なんでもワープしたとかで道順どころか初期地点からの距離すら分かっていないらしいですし。」
「2組の初期地点にいてくれればまだ探せたとは思いますけどね……………………。でも、隆一郎達が奴隷にされかけていた事を思うとそこに留まっていて欲しくは無かったですね……………。」
そんな会話をしていると驚くほど早く時間は進み、私達はそのまま眠ってしまうのでした。……………………まぁ、次の日に起きると私だけがベッドに入っており、近くにペトラとフェーリアがいたので無意識のうちに2人に運ばれたんだなぁと思いながら私は2人の頭を撫でるのでした。