クラリスと恋愛事情-2
「私が好きなのはお嬢様ですね。その為に何回も帝高校に侵入していたんですから。まぁ、好きとは言っても恋愛というよりは家族の方が近いような気もしますが……………いや、普通にかぞくですね………………。」
「…………………ペトラは本当は織村様の事も好きになったのでは?最初は毛嫌いしていましたが、観察している内に段々と嫌悪が好意に変わっていった…………と。まぁ、お嬢様の事も好きなので早く次の恋を見つけないとと思っているのではありませんでしたか?」
フェーリアが補足すると宮永さんが少しだけ震えていましたが、私の様子を見てホッとした様子で元に戻りました。……………でも、ペトラが隆一郎に好意を持っていたという事は初耳ですけどね…………。
「まぁ、私から隆一郎を盗るという行為をしなければこのアイテムは作動しないので大丈夫だと思いますよ?」
「そ、そうですよね……………。」
「まぁ、ペトラの性格上、お嬢様から織村様を盗る行為をする程度胸があると思えません。下手するとお嬢様は織村様を寝取ろうとした人間にホッチキスで口を塞ぎ、半田ごてで鉄を溶かして完全に塞ぐなんて事を平気でやるくらいのSになりますから。」
「いや、なりませんからね!?流石にそこまででは無いと思いますよ? 悪役令嬢っぽくなりたくありませんし!」
いや、私ってそこまで病んでないですよね!?と思いながら、フェーリアの方に話題を振りました。フェーリアの好きな人は誰なのか?と。するとフェーリアは意外な人物の名前を言いました。いや、一応元同級生になるのでしょうけどね……………。
「わ、私が好きになったのは………………黒木 一夜です。彼は私が追いつくべきライバルでありましたが、彼の執事という姿にはとても惹かれていました。……………ですが彼は私の事など見ているはずもなく……………ただ、親友の事だけ考えていたのです。本当は女性だった親友と、2人の関係が親友で止まっていると思っていた………蔵鮫様の事だけを。」
「…………………そういえば黒木さんってメイド服着てるからメイドとして使用人育成の学校に通っていたと思ってたけど普通に執事の方で学んでいたんですね…………。」
まぁ、最初からメイドとして学んでいたならば生徒会関連の事で初対面の時にあれだけメイド服に文句は言いません。でも、彼の使用人育成の学校時代の事は気になるので、私はフェーリアにその事を話してみてとお願いするのだった。するとフェーリアはそれを快く受け止めてそのまま語り出したのだった。